[写真]=J.LEAGUE、金田慎平
■ベガルタ仙台 相性の良い指揮官の采配で8年ぶりの白星獲得へ
【プラス材料】
開幕節で逆境を跳ね返して勝ち点をもぎ取れたことが、最大のプラス要素だ。前半のうちに退場者を出し、先制点を奪われる苦しい展開となったが、全員がハードワークし、途中出場のFW赤﨑秀平が試合終了間際に同点ゴールを決めて引き分け。手倉森誠監督の交代策も冴えていた。勢いを得て今節に臨めることは大きい。
その手倉森監督がかつてベガルタ仙台を指揮していた時、2010年から2013年までのJ1におけるホームでの川崎フロンターレ戦は4回戦って2勝2分負けなしと相性が良い。
そして、2011年と同様に、開幕2試合目が川崎Fということもチームの士気を高めている。東日本大震災が発生したあの10年前、仙台は川崎Fに逆転勝ちを収めた(2○1)。あの時を知るMF関口訓充やMF富田晋伍は今も仙台でプレーしている。当時の再現なるか。
【マイナス材料】
圧倒的な強さを誇る川崎Fに何度も苦杯をなめており、手倉森監督がチームを去った2014年以降は勝ったことがない。相性の悪さが気がかりだ。
また、今回は『ユアテックスタジアム仙台』での今季ホーム開幕戦。本来ならホームは心強い舞台だが、昨季はシーズンを通じて一度も公式戦で勝利することができなかった。そのため、2年ぶりのホーム戦勝利を強敵相手に挙げるには、大きな精神的プレッシャーがマイナス材料となり得る。
そして、守備の中心選手であるDFシマオ・マテが前節の退場により出場停止となったことも不安材料。攻撃力の高い川崎Fを食い止めるためには、出場機会を得た選手が普段以上に奮闘することが必要だ。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ 攻撃陣は好調をキープ。先を見据えて先発の入れ替えも
【プラス材料】
ACL集中開催による影響で、ミッドウィークに第11節を前倒しで実施。セレッソ大阪に3-2の逆転勝ちを収め、暫定ではあるが、早くも首位の座を取り戻している。
頼もしいのは、前線の得点力だろう。開幕節ではMF家長昭博が2得点、第11節のC大阪戦ではFWレアンドロ・ダミアンが2得点、そしてMF三笘薫にも今季初得点が生まれた。狙いどおりの崩しの形から取るべきタレントが決めているのは好調の証だ。昨年、リーグ新記録を樹立した年間総得点を超えるべく、“1試合3点”を目標に貪欲にゴールを奪いにいっている。
2012年以来となる開幕2連勝を達成。リードを奪われる展開になっても慌てず逆転に持っていくなど、チームとしての試合運びにも安定感がある。3連勝でスタートダッシュを飾りたい。
【マイナス材料】
ミッドウィークのリーグ戦から中2日での一戦となる。それもアウェイの地・仙台に移動してのデイゲームという、コンディション的にはかなり厳しい連戦だ。コンディションを考えると、直近のC大阪戦のように相手にリードを許し、追いかける展開になるのは避けたいところ。前の試合の反省を生かしながら、失点しない試合運びを心がけて進めたい。
注目はメンバー編成か。来週も連戦が続くことを考えれば、このタイミングで先発を入れ替える可能性は十分にあるだろう。新加入のMF橘田健人やMF塚川孝輝、そして途中出場でのアピールが続くFW小林悠、MF長谷川竜也などの実力者が先発で起用されても不思議ではない。
アウェイでは2013年以来、ここ数年負けていない。ただ、ベガルタ仙台にとっては重要な一戦となるだけに、気を引き締めて臨む必要がある。
文:いしかわごう