[写真]=兼子愼一郎、清原茂樹
■柏レイソル システム変更で守備は安定。肝心の攻撃は決定力不足があらわに
【プラス材料】
開幕節のセレッソ大阪戦は退場者が出るまでは非常に良いテンポで試合を運び、チャンスも作り出していた。同様に水曜日に開催されたJリーグYBCルヴァンカップ第1節の横浜FC戦でも、ほぼ90分間にわたって試合の主導権を握り、得点が生まれてもおかしくない決定機が何度もあった。ネルシーニョ監督はC大阪戦の11対11での試合内容、横浜FC戦のパフォーマンスには高い評価を与えている。
また、開幕節は「4-3-3」の新システムを採用したものの、C大阪にサイドのスペースを使われる場面が多かった。それに対し、ルヴァンカップの横浜FC戦では昨季までの「4-2-3-1」に戻したことで、守備面は安定感を取り戻した。
公式戦2連敗だが、試合内容を見れば悲観するものではない。あとは、いかにしてゴールネットを揺らすかが問われる。
【マイナス材料】
昨季まではFWオルンガという絶対的なスコアラーがいた。開幕節のC大阪戦とルヴァンカップの横浜FC戦では、オルンガが抜けた影響が顕著に表れる結果となっている。
C大阪戦は退場者を出し、途中から難しい試合展開になってしまったが、横浜FC戦ではほぼ主導権を握り、いくつもの決定機を作り出した中で最後の決め手に欠けた。チャンスは多いだけに最後の落ち着きはもとより、ゴール前に入っていく枚数やボールに関わる人数を増やすことで、ゴールネットを揺らす手立てを早急に見つけたい。
得点が奪えないのであれば、なんとか守備が無失点で耐え続けたいところだが、C大阪戦も横浜FC戦もほんの一瞬の隙がそのまま失点に直結した。
文:鈴木潤
■湘南ベルマーレ 日々のトレーニングで培った連係を結果に結びつけられるか
【プラス材料】
0-1でサガン鳥栖に敗れ、開幕白星発進とはならなかった。だが、開幕戦にはポジティブな要素も認められる。ことに前半は相手のブロックを攻略し、幾度かゴールに迫るシーンが見られた。無得点に終わったものの、日々培っている連係は表現されており、引き続き深めていくことでゴールに近づくだろう。新加入選手がスムーズに溶け込んでいることも明るい。
中2日で臨んだJリーグYBCルヴァンカップにも好材料が示されている。鳥栖戦からスタメンを総入れ替えした中で、決定機は少なかったものの、浦和レッズを無得点に封じてスコアレスドローとし、今季初の勝ち点を手に入れた。新加入選手も多く出場し、個々に特長を示したことは、切磋琢磨とチームのボトムアップの証であり、リーグ戦にもつながるに違いない。
【マイナス材料】
得点力の向上を期する中で、開幕節の鳥栖戦、ルヴァンカップ第1節の浦和戦ともに無得点に終わった。ことに鳥栖戦では、開幕節という難しさもあっただろう。パスの成功率が低く、ボールを奪った後のロストも目についた。良い攻撃の形は随所に見られているだけに、これまでどおり精度を磨き、結果を出して自信につなげたいところだ。
一方、この2試合とも失点を抑えたように、昨季終盤に培った守備力はメンバーが入れ替わった今季も継続されている。しかし、ゴールにこそならなかったが決定機は幾度か作られており、相手にPKを与えたことも含めてディテールを突き詰めることは欠かせない。
今節対戦する柏レイソルとの通算対戦成績は10勝7分17敗。相手のホームでも5勝5分8敗と、いずれも負け越している。
文:隈元大吾