[写真]=金田慎平、清原茂樹
■川崎フロンターレ 自慢の3トップが躍動。過密日程を意識した選手起用にも注目
【プラス材料】
他のチームよりも1試合多く消化している状況ではあるが、開幕から4連勝を飾った。前評判どおりに「川崎フロンターレ、強し」を印象づけている序盤となっているだろう。
好調の要因は、やはり取るべき選手がしっかりとゴールを決めていることだ。ここまでの4試合で12点を挙げているが、そのほとんどが3トップによる得点である。チームとして再現性のある崩しを見せており、それを前線の選手たちがしっかり仕留めている。前節の徳島ヴォルティス戦のように、強度の高いプレッシャーから相手のビルドアップミスを誘ってゴールにつなげる場面もあり、チームとして狙いのある守備ができているのも特徴だ。
柏レイソルとは昨季の最終節で対戦。0-2の展開からMF家長昭博とFWレアンドロ・ダミアンによる3ゴールで逆転勝ちを収めている。今節も前線の爆発に期待したい。
【マイナス材料】
開幕から5連戦目を迎える。中2日での一戦ということを考えると、多少のメンバー入れ替えはありそうだ。
ここまでフィールドプレイヤーで先発出場を続けているのは、中盤のMF田中碧とMFジョアン・シミッチ、そして両サイドバックのDF山根視来とFW旗手怜央だ。中でもフルタイム出場を続けている両サイドバックは疲労が溜まっていてもおかしくない時期だろう。左サイドであればDF車屋紳太郎、右サイドであればDFイサカ・ゼインなど、このタイミングでの起用は十分に考えられるはず。注目したい。
8日の練習後、MF大島僚太の負傷離脱がリリース。右腓腹筋の肉離れで全治12週間程度を要する見込みで、復帰が期待された背番号10のプレーは5月まで見送りとなった。その中でのスタートダッシュを続ける戦いになる。
文:いしかわごう
■柏レイソル 懸念された得点力不足があらわに。攻撃のジョーカー不在も痛い
【プラス材料】
前節は名古屋グランパスに0-1で敗れたが、名古屋に主導権を握られた前半から、ハーフタイムの修正で後半は流れをつかみ、試合内容としては前向きな要素も見られた。特に途中出場のFWクリスティアーノとMF仲間隼斗がピッチに立った62分以降は前線にパワーが生まれ、惜しいチャンスも作り出している。
また、新戦力のMF椎橋慧也がJリーグYBCルヴァンカップを含めて開幕節から4試合連続でスタメン出場を飾り、早くも攻守両面において柏レイソルの中盤に新風をもたらしている。同じく新戦力のMFイッペイ・シノヅカも、名古屋戦で今季初スタメンを飾った。両者のプレーを見ても、序盤にして新戦力の適応は順調に進んでいるようだ。
どの試合も内容は悪くないだけに、いかにして結果に結びつけるかが問われる。
【マイナス材料】
ルヴァンカップを含めて、公式戦4試合で1勝3敗。決してチャンスがないわけではないが、ここまでに挙げた得点は勝利を収めた第2節の湘南ベルマーレ戦で奪った2点のみで、敗れた3試合はいずれもノーゴールと得点力不足に陥っている。ネルシーニョ監督はボールを奪った際の“攻め急ぎ”を何度か指摘しており、攻撃のクオリティや全体の厚みにはまだ課題が残る。
前節はクリスティアーノがスタメンから外れたため、彼が途中出場で攻撃にパワーを与えていた。だが、開幕からここまで、FW神谷優太やMFマテウス・サヴィオといった攻撃に特徴を持つ選手が一度もベンチに入っていないのが気がかり。公式発表はないものの、ケガで離脱した可能性も否定できない。
文:鈴木潤