[写真]=宮地輝、金田慎平
■浦和レッズ うまく守ってカウンター攻撃に活路を見出したい
【プラス材料】
第4節の横浜F・マリノス戦での3失点から中2日で立て直し、勝利こそ逃したものの、前節の北海道コンサドーレ札幌戦を無失点で終えたことは前向きな要素と言える。リカルド・ロドリゲス監督が現実的に5バックで最終ラインを固める考えも持つタイプであることが分かり、状況次第でそのオプションもあると選手たちも実感しただろう。
これは相手にとって、リードを許す展開になると手強いという印象を与えることにもつながる。第3節の横浜FC戦はリードしている展開を上手に使ってショートカウンターを仕掛ける場面もあり、必ずしもポゼッションにこだわらず勝利を求める力があることを示した。
ひと昔前は頂上決戦とも言えたカードだが、現時点では完全に挑戦者の立場。プレッシャーを感じることなく、戦いに臨めるだろう。
【マイナス材料】
勝敗に対するマイナス要素は、シンプルに相手が強いことだろう。川崎フロンターレは前節こそ勝利を逃したが、6試合無敗で14得点を挙げていることからも隙は感じられない。
札幌戦ではゴール前での粘り強さを見せて無失点に抑えた。しかし、守備を固められる展開は川崎Fにとって日常であり、それをこじ開けてゴールを奪う力は札幌を大きく上回るだろう。あまり守備的に構えすぎて相手の攻撃回数が増えてしまうと、守りきるのは難しい。
また、5試合を終えてわずか3得点。それもCKからの1点とPKの2点であり、攻撃の機能性と迫力が不足していることは顕著だ。オープンな展開で打ち合いになれば、純粋に攻撃の精度の差で分が悪い。勝利のためには、ある程度運も味方につけることが必要になりそうだ。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ 相性抜群の山根に注目。圧倒的な攻撃力を取り戻せるか
【プラス材料】
ポジティブなニュースといえば、日本代表に初選出されたDF山根視来だろう。チームでは今季全試合出場を続け、右サイドバックとして攻守のアクセントに欠かせない存在となった。フル稼働しているため連戦による疲労はピークだろうが、代表戦前のこの一戦でどんなプレーを見せるのか。アウェイの浦和レッズ戦では2年連続で得点を記録するなど、相性は抜群。注目のプレイヤーと言えそうだ。
チームとしては連勝が止まった後の一戦となる。「昨年もあったが、連勝が止まった次の試合が大事になる」と主将のDF谷口彰悟はこの試合の重要性を口にする。他のチームよりも1試合消化数が多いので暫定で首位にいるとはいえ、連勝を続けているチームもあるため、2試合続けての足踏みは許されない。勝利を飾って中断期間に入りたい。
【マイナス材料】
前節のヴィッセル神戸戦は、試合終了間際の土壇場に追いつかれて1-1のドロー。開幕からの連勝は「5」でストップとなった。「苦しい試合だったが、1-0で逃げきるところを見せないといけない試合だった。非常に悔しい」と谷口。いかに勝ちきるのか。チームとしては試合の終わらせ方に課題が残り、そこは意思統一する必要がある。
気になるのは得点力の低下だ。ここ3試合で4得点、直近の2試合は1得点ずつと、複数得点が奪えていない状況だ。僅差を勝ちきるしたたかさも大事だが、チームが目指しているのは相手を圧倒して1試合3ゴール以上を奪うことにある。MF三笘薫の包囲網はより厳しくなっているだけに、追加点を奪う姿勢とともに、攻撃陣の爆発に期待がかかる。
文:いしかわごう