[写真]=J.LEAGUE、兼子愼一郎
■柏レイソル 前節の終盤に見せたパフォーマンスを継続できるか
【プラス材料】
5試合でわずか2得点と極度の得点力不足に陥っているが、前節・サガン鳥栖戦の終盤の25分間はリズムをつかんだ。
その要因は64分に投入されたMFマテウス・サヴィオの存在である。M・サヴィオは昨年8月に足首を負傷し、ほぼ1シーズンを棒に振った。そのケガは完治したものの、コンディションや試合勘の問題もあって、まだ30分間という条件つきの復帰だ。それでも攻撃面に課題を抱えるチームにとって、U-20ブラジル代表の経歴を持つクリエイティブなアタッカーの復帰は非常に大きい。
M・サヴィオ自身、「復帰戦にしては良いフィーリングでプレーができた」と鳥栖戦でのパフォーマンスを振り返っており、今後は試合を重ねるごとに調子を上げてくることが予想される。
【マイナス材料】
リーグ戦開幕5試合を終えて、早くも4敗目を喫した。その4敗とJリーグYBCルヴァンカップ第1節の横浜FC戦を含め、敗れた試合はいずれもノーゴールと得点力不足が深刻だ。対戦相手の脅威となる攻撃が全くできず、しかも得点が取れていないことで、選手が慎重になりすぎているのか、アタッキングサードではボールを大事にしようという意識が働き、シュートを打つ積極性にも欠けるという悪循環が生まれている。鳥栖戦はM・サヴィオが投入されるまでは拙攻が続いた。
第3節の名古屋グランパス戦、第4節の川崎フロンターレ戦は内容的に評価できる部分もあった。しかし、鳥栖戦ではボールホルダーにプレッシャーがかからず、ロングボール1本で得点を許すなど、守備面でも脆さを露呈している。
文:鈴木潤
■清水エスパルス 守護神の奮闘で守備が安定するも、攻撃は課題が山積み
【プラス材料】
勝てていない中でも守護神のGK権田修一が素晴らしいパフォーマンスを続け、失点の減少に貢献しているのは頼もしい。直近2試合は入ってもおかしくないシュートを何本も止めており、第4節のサガン鳥栖戦では今季初のクリーンシートをもたらした。日本代表に招集されて精神的にも乗っているはずで、今節も大いに期待できそうだ。
MFヘナト・アウグストが負傷から復帰し、2試合連続で先発していることもプラス材料だ。中盤でボールを奪うという面でチームとして課題がある中、彼がコンディションを上げて持ち前のボール奪取力を発揮してくれば、改善が期待できる。
また、センターバックとサイドバックでプレーできるDF福森直也が、前節のサンフレッチェ広島戦で清水エスパルスでのリーグ戦初出場を果たした。そつなくプレーしたことも、過密日程の中ではプラス要素と言える。
【マイナス材料】
開幕節の鹿島アントラーズ戦以来4試合勝利がなく、直近2試合はいずれも無得点。失点は減りつつあるが、攻撃で良い形を作る場面が少なく、点が取れなくなっているのは大きなマイナス材料だ。
それは最後の攻め崩しの問題だけでなく、攻撃の時間や回数が少ないことにも起因している。良い形でボールを奪う回数が少なく、ビルドアップでもボールを相手陣内に運ぶ前に失ってしまうことが多く、自分たちが主導権を握る時間が短くなっている。そこはチーム全体の課題で、中3日でどれだけ改善できるかは未知数だ。その意味では攻守にクレバーな働きができるDF片山瑛一の負傷離脱の影響も大きいかもしれない。
また、守備ではゾーンで守る穴を突かれてセットプレーからの失点が多くなっていることも気になる。
文:totoONE編集部