[写真]=宮地輝、兼子愼一郎
■名古屋グランパス 連勝支える鉄壁の守備に綻びなし。相性の悪さが気がかり
【プラス材料】
開幕6連勝はクラブ記録にして、今季リーグ戦で唯一の好成績。6試合のうち5試合を無失点で切り抜けた守備力の高まりとゲームマネジメントの鮮やかさは、今や日本屈指の試合巧者である。
堅実極まりない戦い方だけに代表ウィークによる中断で勢いに水が差されることもなく、むしろ、さらに手堅くリーグ戦再開を迎える予想のほうがしやすいほど。自信を深める自在の守備戦法はキャプテンのDF丸山祐市を中心に、試合の流れによってその形を変え、相手の時間帯になっても恐れず焦らず展開を耐える硬度を誇る。
今回は日本代表デビューを果たしたMF稲垣祥とDF中谷進之介のポジティブな変化にも注目で、名古屋グランパスの堅守がさらに強度を増す期待感がチームにプラスアルファをもたらす。
【マイナス材料】
リーグ最強クラスの戦いを見せた序盤戦で、チームにマイナス面はない。ひとつだけあるとすれば、FC東京との相性ぐらいか。
昨季はリーグ戦のホームゲームで勝利しているが、アウェイゲームではリーグ戦、JリーグYBCルヴァンカップともに敗れている。強力な守備と速いカウンターという武器は共通で、FC東京は外国籍選手3トップのほか、天敵のFW永井謙佑や好調のFW田川亨介などスピードのある前線が脅威。彼らに対し、代表帰りの中谷と稲垣も警戒心を強めており、カウンターへの予防線・対応策という部分で名古屋の守備が問われることになりそうだ。
逆を突いての速攻で、いまだFW山﨑凌吾の1ゴールしかないFW陣の決定力も同様に、カギを握ることになる。
文:今井雄一朗
■FC東京 ここまで無失点試合がない守備の耐久力が求められる一戦に
【プラス材料】
現在、公式戦3連勝。3月28日には日本代表に招集された選手が不在の中でJリーグYBCルヴァンカップ第2節のヴィッセル神戸戦に臨み、無失点で勝利をつかんだ。シーズン序盤はメンバーを固定せず、組み合わせにチャレンジと苦心を重ねていたが、チーム全体の底上げや進化の兆しがうかがえる結果を手にしている。
特に急きょ先発に抜擢されたGK児玉剛、DFジョアン・オマリが好パフォーマンスを見せ、徐々に「攻守のバランスが良いゲームができるようになってきた」と長谷川健太監督も手応えを話す。
DF小川諒也が日本代表に初選出、FW田川亨介とDF渡辺剛もU-24日本代表に招集され、それぞれが代表での活動に臨んだ。そのため、コンディション面に多少不安は残るが、刺激を受けて新たな自覚も生まれている。“代表”の名にふさわしいプレーに期待したい。
【マイナス材料】
ここにきて攻撃陣に負傷が相次ぎ、MF紺野和也とMF渡邊凌磨が長期離脱。特に渡邊は第4節の大分トリニータ戦でJ1初ゴールを挙げて上り調子だったこともあり、チームにとって大きな痛手となる。
今節の対戦相手である名古屋グランパスはリーグ戦6連勝中で、ここまでの総失点はわずか「1」。小川は「守備の強固なチームに対して大量得点は奪えないかもしれない。集中力を保ち続けて、まずは失点を抑えたい」と話すように、我慢強く戦うことが求められる一戦だ。
そのため、DF森重真人を軸にダブルボランチの布陣で臨む可能性もある。だが、リーグ戦ではまだ無失点試合がないだけに、名古屋に先手を取られると勝利は遠ざかる。
文:totoONE編集部