[写真]=清原茂樹、鈴木颯太朗
■浦和レッズ 古巣対決に臨むベテラン2人への期待は大きいが
【プラス材料】
プラス材料は、リーグ戦が日本代表の活動により中断となった1週間でFW興梠慎三とDF西大伍が実戦復帰し、JリーグYBCルヴァンカップ第2節の柏レイソル戦に出場。本格的にチームの戦力になる目処が立ったことだろう。西は本職の選手不在で回していた右サイドバック、興梠は得点力不足に苦しむ前線で貴重な戦力として期待が持てる。両者にとって古巣対決となる鹿島アントラーズ戦だけに、そうした意味でも活躍が期待される。
また、興梠の復帰により2トップシステムで試合に臨む可能性も高まっている。FW杉本健勇は「2トップのほうがプレーしやすい」と過去にコメントしてきた選手で、興梠もまた杉本の背後でクロスに飛び込む形を得意としている。
ホームで宿敵とも言われるライバルを下すことができれば、一気に勢いを増すことができるだろう。
【マイナス材料】
マイナス材料としては、西と興梠が復帰したルヴァンカップの柏戦に0-1で敗戦。開幕からの公式戦8試合で3得点のみ、という部分に特効薬として作用したわけではないことが挙げられる。決定機が多くあった試合ではなく、最終的にゴール前でどのようにシュートチャンスを作り出すかという点は、エースの復帰だけでは解決できなかった。
また、第4節の横浜F・マリノス戦での3失点と第6節の川崎フロンターレ戦での5失点が響いているとはいえ、リーグ戦6試合で11失点と守備面にも課題は多い。特に、ズルズルと複数失点をしてしまう面が昨季から改善されていないことは、常に不安要素として残る。
4月も週末だけでなく、水曜日に2試合が行われる過密日程。それだけに、攻守で修正の目処を早く見せておきたいところだ。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 攻守のキーマン不在の中でどこまで戦えるか
【プラス材料】
代表ウィークの中断期間に行われた、JリーグYBCルヴァンカップ第2節のアビスパ福岡戦は5-1で大勝した。中でも戦線離脱していたFW上田綺世が2ゴールを挙げたことは、得点源の復活という意味で大きなプラス要素になる。
また、U-24日本代表の一員としてU-24アルゼンチン代表との第2戦に先発したDF町田浩樹は、相手を無得点に抑える活躍を見せた。国際舞台での成功体験は、選手を飛躍的に成長させる。鹿島アントラーズの練習に合流した際も「自信になる」との言葉を残していた。
リーグ戦は2連敗中と結果が出ていないが、前節の名古屋グランパス戦と比較してプラス要素はある状況だ。上位争いに食らいついていくためにも、ライバルクラブのひとつである浦和レッズから勝ち点3を奪いにいく試合になる。
【マイナス材料】
0-1で敗れた名古屋戦を振り返っても、MF土居聖真とMF和泉竜司の負傷離脱はチームに大きな影を落とした。
アントニオ・カルロス・ザーゴ監督の最終ラインから攻撃を組み立てるサッカーにおいては、前線と中盤の間で受け手となる存在が必要不可欠。その役割を担う2人が揃って離脱した名古屋戦は攻撃に厚みをもたらすことができなかった。そのポジションには2年目で結果を残しているMF荒木遼太郎が入るが、経験豊富な土居や和泉と同じ結果を求めるのは酷と言えるだろう。
思うような攻撃ができない可能性があるため、先に失点することは避けたいところ。だが、ディフェンスリーダーのDF犬飼智也が出場停止と、最終ラインも人員の変更を余儀なくされる。戦前の思惑どおりに試合を運べないことが想定されそうだ。
文:totoONE編集部