[写真]=鈴木颯太朗、兼子愼一郎
■ヴィッセル神戸 連続完封の守備陣は及第点以上。攻撃陣の本領発揮が待たれる
【プラス材料】
前節の大分トリニータ戦に勝利し、3連勝で3位に浮上。昨季の課題だった守備を克服し、今季3つ目のクリーンシートを達成と勢いもある。プラス材料は多く、中でも特筆すべきものは2つ。
ひとつは、日本代表のFW古橋亨梧が3試合連続でゴールを挙げ、好調を維持していること。エースが得点すれば負けない不敗神話も8試合に伸ばしている。スピードを生かした守備でのハイプレスも効果的で、相手にとっては嫌な存在だ。
もうひとつは先述のとおり、失点が減ったこと。4月は2試合連続で無失点を記録しており、リーグ戦8試合で8失点。今季の目標である1試合平均1失点以下を果たしている。DF菊池流帆、DF山川哲史、DF小林友希らの台頭が著しく、守備が安定してきた印象だ。
【マイナス材料】
3連勝中のためマイナス材料は少ないが、その中で強いて挙げるなら攻撃面になるだろう。いまいち調子の上がらないベガルタ仙台と大分に勝利したものの、仙台戦は2得点、大分戦は1得点。攻撃を主体とするチームとしては、やや物足りなさがあるのは否めない。
ウノゼロ勝利の大分戦後に、古橋は「チームとして複数得点を決めるチャンスをもっともっと作っていかないといけない」と話している。大分戦はシュート8本と、やや少なめなのも気になる点だ。
また、大分戦のボール支配率が約50パーセントだったことも不安材料のひとつだろう。ともにポゼッションサッカーをうたうチーム同士の対戦とはいえ、相手は今季まだ1勝のみの大分。連勝を続けるためには改善が必要かもしれない。
文:totoONE編集部
■清水エスパルス エウシーニョの復調は朗報。攻撃面の課題克服につながるか
【プラス材料】
無得点で2連敗の中、復帰したDFエウシーニョがコンディションを上げているのは大きい。チームが攻撃面で課題を抱えているのに対し、水曜日に行われた前節の浦和レッズ戦は54分に彼が入って確実にボールをキープしながら味方につなげたことによってボールを持つ時間が長くなった。MF河井陽介やMF中山克広らとの連係も良く、攻撃の活性化に期待が持てる。
また、前からのプレスも含めた組織的な守備も、第7節の徳島ヴォルティス戦から浦和戦にかけて改善が見られた。浦和戦は2失点したものの、1点目はCKからの一発で、2点目は前がかりになった終盤にカウンター攻撃から食らったスーパーゴール。崩されての決定機はほぼなく、セットプレーの守備を改善できれば無失点も可能だろう。
連戦の中で5人の交代枠を利用しながら、うまくターンオーバーができていることも好材料と言える。
【マイナス材料】
ホームゲームで2連敗。どちらもノーゴールということで、攻撃面に大きな課題が表れている。それは決定力の問題だけでなく、攻撃のビルドアップが思うようにできず、攻撃の時間やチャンスの回数も少ないという側面がある。特にポゼッションを得意とするチームに対しては、守備の時間が長くなってそこで体力を消耗させられ、カウンター攻撃に出ていく力が弱まるという悪循環も起こる。過密日程では大きなマイナス要素で、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督も常に課題として挙げているが、なかなか改善できていない。
また、詳細は不明だが、MFヘナト・アウグストとFWカルリーニョス・ジュニオが離脱しているのも痛いところ。今節で復帰する可能性もあるが、苦境の中で大きな武器を持つ選手が少なくなるのはマイナス材料と言える。
文:totoONE編集部