[写真]=兼子愼一郎、J.LEAGUE
■FC東京 カップ戦と同じように粘り強く戦えるか。“先制点”が勝負のカギに
【プラス材料】
第9節の川崎フロンターレ戦、前節のアビスパ福岡戦とともに敗れ、今季初の連敗を喫した。チームの雰囲気も低下する中、直後の21日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ第3節の大分トリニータ戦ではターンオーバーを実施。苦しみながらも無失点に抑え、1-0で勝ち点3を手にした。長谷川健太監督は「全員の力でもぎ取った勝利」と手応えを話しており、これをリーグ戦への弾みとしたい。
右サイドの主軸を担ってきたDF中村帆高が長期離脱。長谷川監督も「頭が痛い」と明かしたが、福岡戦ではその右サイドバックにDF岡崎慎を先発起用。途中出場のMF内田宅哉も適応力の高さを見せていた。DF中村拓海やMFアルトゥール・シルバを含め、故障者が出てもやりくりができることは強みと言えるだろう。
長らく戦列を離れていたMF品田愛斗もルヴァンカップの大分戦で復帰を果たした。新たに生まれる競争力は、プラス材料となり得る。
【マイナス材料】
リーグ戦10試合を終えて無失点試合は1試合のみ。かつ、先制点を奪ったゲームは2試合にとどまる。自分たちのミスや集中力を欠き、安易な形で先制されていることは気がかりだ。
特に今節戦うサガン鳥栖は現在3連敗中と、苦手としている相手でもある。今季は上位につけて勢いのある鳥栖に対して、我慢強く戦うことができなければ勝ち星は見込めないだろう。
昨季のルヴァンカップ優勝の原動力となったMFレアンドロは、5試合にわたって出場機会がなく、福岡戦でようやく途中出場を果たした。しかし、本調子からはほど遠いコンディションだ。攻撃のリズムを作り、牽引できる力があるだけに、その状態がチームにとってのマイナス要因になっている。
文:totoONE編集部
■サガン鳥栖 鉄壁の守備を打ち崩した攻撃陣のパフォーマンスに注目
【プラス材料】
失点が少なく、上位に位置している。守備陣の健闘は今節も引き継がれるだろう。堅守はもちろんプラス材料だが、それ以上に攻撃陣に注目したい。
前節は9試合連続無失点だった名古屋グランパスを相手に2得点と、攻撃陣の活躍が光った。その中でも、MF酒井宣福の好調さが目立っている。名古屋戦では先制点をアシストし、2点目を豪快に叩き込んだ。ハイプレスもこなし、サガン鳥栖の新たな武器になっている。もちろん、FW林大地とFW山下敬大も健在だ。
ここに新たなパーツが加わった。水曜日のJリーグYBCルヴァンカップ第3節のアビスパ福岡戦に出場したFWオフォエドゥとFWドゥンガである。身体能力もさることながら、さまざまな国で実績を残してきたストライカーだ。それぞれタイプも異なり、これまで以上に鳥栖に攻撃オプションを加えることになるだろう。躍進は今節も続くはずだ。
【マイナス材料】
マイナス材料を探すほうが難しいが、トラッキングデータの走行距離がリーグで一番多い。いくら若い選手が多いとはいえ、過密日程での対応は大変だろう。直近の試合となったルヴァンカップの福岡戦は先発11人を入れ替えて戦った。今節への調整を考えると致し方ないところと言えるだろう。相手に応じて戦い方を変更するため、選手に求められる走行距離はこれまでと変わらないはずだ。
リーグ戦に臨むメンバーはほぼ固定化されてきただけに、総力戦の様相が見えてくる。攻撃も守備も好調なだけに、心配な点は自分たちのコンディションとの戦いと言える。金明輝監督は、名古屋戦後にさらなるクオリティアップを求める意識を表明した。目の前の1勝をつかみ取るためには、自らを奮い立たせるしかない。
文:totoONE編集部