[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■湘南ベルマーレ 勝ち点3獲得のために、最終局面の精度をどこまで高められるか
【プラス材料】
変わらず負けなしが続いている。2-3で敗れた第5節のFC東京戦後、リーグ戦は7試合、JリーグYBCルヴァンカップを含めれば公式戦11試合無敗で地道に勝ち点を積み上げている。
守備の安定感も変わらない。前節の北海道コンサドーレ札幌戦は相手に何度かチャンスを作られながらも無失点でしのいだ。加えて、負傷離脱していたFWタリクが復帰したことも大きい。
直近のルヴァンカップ第5節の横浜FC戦は1-1の引き分けに終わり、プレーオフステージ進出を決めることはできなかったが、コロナ禍で合流が遅れていたFWウェリントン・ジュニオールが途中出場したことはポジティブな要素だろう。さらに同試合ではDF畑大雅がケガから復帰して今季公式戦初出場を果たし、高卒ルーキーのMF平岡大陽はプロ初ゴールをマークしている。
【マイナス材料】
着実に勝ち点を積み重ねている反面、リーグ戦12試合で2勝、ルヴァンカップ5試合で1勝と、勝利が少ない。無得点ないし1得点の試合が続いているように、決定力は変わらずの課題だ。ことにリーグ戦はシュート数が10本以下にとどまる試合も少なくない。新加入のFWウェリントンとW・ジュニオールは当然ゴールが期待されるが、まだ本来のコンディションには程遠いだろう。もともと個の力に頼るサッカーではなく、アグレッシブな守備からチャンスも作れているだけに、チームとして引き続きゴール前の精度を高めたい。
大分トリニータとの通算対戦成績は9勝7分13敗、ホームでも5勝4分6敗と黒星が先行する。リーグ戦に限ると、J2で対戦した2014年に2勝して以来勝利がない。
文:隈元大吾
■大分トリニータ 持ち味のパスワークが復活。カップ戦メンバーの躍動も心強い
【プラス材料】
前節の清水エスパルス戦に1-0で勝利して、連敗を「7」でストップ。昨季までの流れるようなパスワークが戻った要因は、戦術の浸透と一人ひとりの運動量が増え、ポジショニングが明確になったことなどが挙げられる。
その清水戦の終盤には新外国籍選手のDFエンリケ・トレヴィサンが出場。短い時間ながら、新天地デビューを飾っている。彼が問題なくチームに溶け込んだことも収穫だった。
清水戦から中2日で行われたJリーグYBCルヴァンカップ第5節の徳島ヴォルティス戦は引き分けに終わったものの、リーグ戦で出場機会の少ない選手が出場して躍動した。DF福森健太やFW渡邉新太がキレのある動きで猛アピール。高い競争意識で練習ができている。
【マイナス材料】
ルヴァンカップの徳島戦は、前半に先制しながら終盤に同点に追いつかれて勝ち点3を逃している。主力選手が出ていなかったとはいえ、試合の進め方には課題が残った。後半に失速した一因となっている集中力の低下も修正すべき点だ。
今節の湘南ベルマーレ戦は連戦最後の試合となるため、疲労が気になるところ。直近の2試合はホームゲームだったので移動の疲労は軽減されたが、蓄積された疲労の回復が最優先となる。戦力を戦術で補っているチームだけに、戦術練習に時間を避けないのは痛手である。
文:totoONE編集部