[写真]=宮地輝、兼子愼一郎
■サガン鳥栖 ミスを減らし、自分たちらしさを取り戻せれば問題なし
【プラス材料】
若いFWがとにかく元気である。前節の大分トリニータ戦はFW山下敬大が一瞬のチャンスから先制点を決めた。FW林大地と2人でチームの総得点の半分以上を叩き出している。今節の鹿島アントラーズ戦もこの組み合わせが変わることはないだろう。だからこそ、期待したい。
ここ数試合は大きなメンバーの入れ替えもなく、戦い方が安定してきている。リーグ最少失点の守備に支えられてきた感が強いが、爆発的な得点こそないものの、確実に点を取れる試合が見られるようになった。前線からのプレスもしっかり行い、ボールを奪った際には最終ラインの選手までもが攻撃参加する形が決まりだした。
大量得点で勝利する試合はないものの、とにかく攻守のバランスが良い。トラッキングデータの多さがバロメーターとも言っていいだろう。今節も期待できそうだ。
【マイナス材料】
大分戦は先制しながら同点に追いつかれ、勝ち点を分け合った。今季は先制した試合すべてに勝利していたが、それも止まり、2試合続けて引き分けに終わっている。下位の大分が相手だったので惜しい気もするが、「ミスが多かった」と金明輝監督が振り返ったとおり、サガン鳥栖らしさが消えていた内容でもあった。
ここまでの戦いを支えた守備陣だったが、少し疲れも見えてきているようだ。大分戦では終盤に同点に追いつかれ、その直後にあわや逆転かと思われたシーンがあったものの、乗りきれたのは守備力がアップしたからと言ってもいいだろう。
4連勝中の鹿島を迎えるにあたり、大分戦のようなミスが目立つと勝ち点の上積みは期待できない。GK朴一圭を中心に、チームを引き締めてもらいたいところだ。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 安定感あるパフォーマンスで5連勝達成なるか
【プラス材料】
前節の横浜F・マリノス戦を5-3で制し、4連勝とした。水曜日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ第6節の北海道コンサドーレ札幌戦でも安定した戦いぶりを披露。引き分け以上でグループステージ1位通過が決まるアウェイゲームを、狙いどおりスコアレスドローで終え、目的を達成した。相馬直樹監督就任後は公式戦10試合無敗(6勝4分)。その安定感は目を引くばかりか、試合ごとにチーム力が上がっている印象を残す。
コロナ禍の入国制限で合流が遅れていたMFアルトゥール・カイキはルヴァンカップの札幌戦で加入後初先発。右肩上がりを保ったまま、さらに底上げをもたらす選手たちがチームの輪に加わるという良い循環に入っている。
今節はアウェイでのサガン鳥栖戦。ルヴァンカップでも顔を合わせており、相手のサッカーは把握できている。安定した戦いで5連勝を遂げる可能性は高い。
【マイナス材料】
前節に続き、今節もマイナス材料を挙げるのは難しい。横浜FM戦で3失点したものの、ルヴァンカップの札幌戦は相馬監督就任後初めてスコアレスドローで終えた。横浜FM戦の3失点は退場者を出した影響とリードを広げた試合展開があってのもので、戦術やチーム状況としてそこまで不安視する必要はないと言える。
ルヴァンカップの札幌戦で顔を強打して負傷交代したMFファン・アラーノだが、今節の出場は難しいとみられる(鼻骨骨折で20日に手術を実施)。ただ、MF白崎凌兵やMF松村優太ら心身ともに充実したアタッカーが控えているため、そこまでマイナスになるとは思えない。
唯一と言ってもいい不安点は、油断くらいか。監督交代でピンと張られた責任の糸が、連勝を遂げたことで緩むこともあるが、それも今のところチームには見られない。
文:totoONE編集部