[写真]=兼子愼一郎、宮地輝
■横浜F・マリノス オナイウを軸に前線の選手が大暴れ。仲川の復帰も追い風に
【プラス材料】
ここまで8勝3分2敗の勝ち点27で4位。序盤戦としては、まずまずの成績を残している。総得点「28」は首位をひた走る川崎フロンターレ(総得点「43」)に次ぐ数字で、攻撃陣はおおむね好調だ。リーグ2位の10得点を挙げているFWオナイウ阿道は、前節の鹿島アントラーズ戦でも2得点をマーク。大分トリニータ所属時代の2019年には10得点を記録しており、次のゴールはJ1におけるキャリアハイの得点となる。
また、19日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ第6節の清水エスパルス戦でも5-1の快勝を収めた。その試合では第9節のベガルタ仙台戦で負傷したFW仲川輝人が5週間半ぶりに復帰し、いきなり得点も決めている。終盤には新加入のFWレオ・セアラにも得点が生まれるなど、前線の選手たちが躍動した。
誰が出場しても高いクオリティを発揮できる状態で、5勝2分と今季無敗のホームゲームに臨む。
【マイナス材料】
先週の鹿島戦に3-5で敗れ、川崎Fとの開幕節以来の黒星を喫した。堅さを保っていた守備がミスをきっかけに崩壊し、今季ワーストとなる5失点を記録。まずはショッキングな敗戦からメンタル的に立ち直る必要がある。
さらに、鹿島戦でディフェンスリーダーのDF畠中槙之輔が脳震とうの症状で途中交代した。重傷ではない模様だが、負傷箇所が頭部だけに今節に与える影響が気になるところ。仮に欠場となれば、東京五輪世代のDF岩田智輝がセンターバックとして先発することになるだろう。
対戦相手の柏レイソルはかつて苦手としていた時期もあるが、昨季は1勝1分と負けていない。仕切り直しの勝利を手にするためにも、自分たちのパフォーマンスをしっかり発揮することが重要になる。
文:totoONE編集部
■柏レイソル 深刻な得点力不足がもたらすチームへの影響は計り知れない
【プラス材料】
長らく戦列を離れていたMF大谷秀和とDF山下達也が復帰し、水曜日のJリーグYBCルヴァンカップ第6節の湘南ベルマーレ戦ではともにスタメン出場を果たした。結果が出ていない苦しい状況が続くとあって、若い選手を鼓舞できる経験豊富なベテランの復帰はとても心強い。
そのルヴァンカップは勝てばグループステージ突破という状況だったにもかかわらず、湘南と1-1の引き分けに終わって敗退が決まった。しかし、90分単体で見ればプランどおりのゲームができ、後半立ち上がりに失点しながらもチームは浮き足立つことなく、最後は同点に追いつくという意地を見せた。
これまでリーグ戦では、相手に先制を許した途端にチームが浮き足立ち、拙攻続きで得点の気配がしなかった。そのことを考えれば、この後半アディショナルタイムの同点弾をリーグ戦での巻き返しへのきっかけにしたいところである。
【マイナス材料】
リーグ戦3連敗。しかも、前節のFC東京戦は11分の失点を機に「選手の頭の中が真っ白になってしまった」とネルシーニョ監督が述べたとおり、7分間で3点を奪われたことがすべてだった。その結果、今季最多失点の0-4で敗れ、今季のワーストゲームとなっている。
期待の新戦力であるDFエメルソン・サントスは本調子にはほど遠く、ルヴァンカップ第5節の浦和レッズ戦で2得点を挙げたMFアンジェロッティも日本のサッカーのリズムに対応しきれていない。新外国籍選手のフィットはもうしばらく時間を要する見込みである。
そして、この3連敗中の全試合がスコアレスと、相変わらず得点力不足は深刻だ。14試合を消化して7試合が無得点。得点が奪えないからこそ、先に失点すると焦りが生じ、練習で準備してきた戦術面が機能しない悪循環に陥ってしまう。
文:鈴木潤