[写真]=鈴木颯太朗、宮地輝
■ヴィッセル神戸 攻守ともに手応えあり。沈黙続くエースの一発が待たれる
【プラス材料】
前節の柏レイソル戦で4試合ぶりに勝ち点3を獲得。順位も7位に浮上して迎える今節は好材料が多い。
まずは守備面。柏戦ではセットプレーから失点したものの、流れの中からは許しておらず、中3日で充分に修正は可能だろう。この試合で復帰したボランチのMFセルジ・サンペールがチームに安定感をもたらすと、DFトーマス・フェルマーレンに代わって先発起用されたDF小林友希もそつのないプレーで好アピール。堅守は健在といったところだ。
攻撃面ではMF郷家友太が今季2得点目を挙げ、FWドウグラスが2得点に絡む活躍を見せた。2点目は結果的にオウンゴールだったが、ドウグラスのスルーパスでMF山口蛍が背後へ抜け出す見事な崩しの形から生まれている。柏戦は攻守ともに手応えをつかんだ一戦だった。
【マイナス材料】
柏戦で連敗を回避したことを考えると、マイナス要素は少ない。強いて挙げるなら3つ。
1つ目はセットプレーの守備。ここまでの戦いではセットプレーでやられる場面はほぼなかったが、柏戦では得点を許した後も何度か危ない場面を作られた。対戦相手のスカウティングが進む中、どう修正するかはひとつの課題だろう。
2つ目は日本代表のFW古橋亨梧に4試合連続で得点がないこと。体のキレや存在感は相変わらずだが、エースの不発はチームにとってマイナス材料と言えなくもない。
最後は外国籍選手のフィット具合。MFアンドレス・イニエスタやFWアユブ・マシカが入ることで魅力的な攻撃陣になる一方、カウンター攻撃が減るのも事実。攻守の折り合いをどうつけるかは今節のテーマと言えそうだ。
文:totoONE編集部
■サガン鳥栖 先制点の奪取と中盤の主導権争いを制することが勝利のカギ
【プラス材料】
中3日での試合が続く。しかし、7試合連続黒星なしと、戦い方は悪くないと言えるだろう。2試合続けてのアウェイゲームとなるので、コンディションとの戦いになりそうだ。
今節は前節の北海道コンサドーレ札幌戦と同じように、強力な個の力を持ったヴィッセル神戸が相手。決めるところでしっかり決めることができれば、8試合ぶりの負けはないだろう。連戦は神戸も同じ。むしろ若い選手が多いサガン鳥栖のほうが優位に戦えると予想できる。総得点数はほぼ変わらないが、総失点数は圧倒的に鳥栖が少ないだけに、先制できればそのまま逃げきれる可能性は高い。
首位の川崎フロンターレの背中は遠いが、3位の鳥栖から7位の神戸までは混戦模様。これ以上離されずに首位についていくためには、落とせない一戦となる。
【マイナス材料】
「アウェイの札幌で勝ち点を取れたことをポジティブに捉えたい」と、金明輝監督は前節の試合後に振り返っている。言葉とは裏腹に、決定機は札幌のほうが多かった。負けずに済んだというのが本音だろう。一対一ではがされてしまうと脆さを見せていただけに、短い期間でどこまで修正できているのか不安が残る。
神戸に中盤でスペースを与えると、主導権を握られかねない。それだけに、しっかり中盤を抑えておきたいところ。GK朴一圭を中心としたDF陣は安定しているだけに、中盤の出来がターニングポイントとなりそうだ。
若い選手が多いため、流れをつかみ損ねると苦しみそうだ。札幌戦で見つかった課題がどれだけ修正されているかを見ておきたい。
文:totoONE編集部