[写真]=J.LEAGUE
5月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』が発表され、J2はジェフユナイテッド千葉に所属するMF見木友哉が受賞した。5月は3勝2分け1敗で白星が先行。見木は第13節のファジアーノ岡山戦から4試合連続ゴールを記録し、その間は無敗と千葉をけん引した。
取材・文=三島大輔
――5月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間MVP』受賞おめでとうございます! 5月は4試合連続ゴールを含む4得点2アシストという活躍でした。
見木 率直に嬉しいですし、チームメイトのおかげで受賞できたので感謝したいと思います。5月に入るまでは1得点だったので、岡山戦で久しぶりにゴールを取れて気持ち的にも余裕ができました。4試合連続ゴールは良かったですけど、引き分けも多かったので勝ち切ってもっと上位に食い込めればとは思っています。
――4月までは黒星が先行していましたが、5月は立て直しに成功しました。開幕期と比較して、どのあたりが改善されたのでしょうか?
見木 守備の安定はポイントの一つとして挙げられると思います。ただ、守備だけではなく、攻撃も良くなった実感があります。攻守両面でレベルアップできたので、それが5月の好成績につながったと思います。
――栃木戦から3バックにトライしています。試合後、尹晶煥監督は「矢野貴章選手を生かしたロングボールが多いので、そこで押されてはいけない」と“矢野対策”が理由だと話していました。
見木 紅白戦ではいつも通り4バックでやっていたのですが、矢野選手役のFWに結構やられまして……。急きょ3バック、守備時は5バックの布陣に変更しました。栃木戦後「また4バックに戻るのかな?」と思いましたが、3バックを継続して今はいい成績につながっているので良かったと思います。
――ただ、システム変更から結果が出るまで少し時間は掛かりました。
見木 ホームでの相模原戦は勝たなければいけない試合だったと思います。ですが、守備の安定感という意味では4バックの時よりも「良くなっている」という話を選手間でもしていたので、そこに対するブレはなかったと思います。今では『5-3-2』や『5-2-3』、引いて守る時は『5-4-1』だったり、そういった戦術の柔軟性もあります。ハイプレスに行く時、行かない時の使い分けにもなっているので、そこは続けていきたいところです。
――見木選手はシステム変更に伴い、主に2シャドーの一角を担うようになりました。よりゴール前で勝負できるようになったことが得点増の要因なのでしょうか?
見木 ゴールにより近いところでプレーできていることは結果につながっている理由だと思います。開幕した頃は中盤2列目やトップ下でしたが、今のシャドーポジションだと攻撃時は『3-2-4-1』の形になります。逆サイドのウイングバックが空いているのは感じますし、そこにボランチが関わると4バックの時よりも攻撃に厚みが出てくる。4試合連続ゴールは自分の中でも驚きですが、通算5得点はある意味必然だとも感じています。
――ちなみに見木選手は戦術系の話が好きだとうかがいました。よく見ているリーグや参考にしている選手はいらっしゃいますか?
見木 そうですね、海外サッカーはよく見ますし、戦術の話は結構好きですね! 一番見ているのはプレミアリーグ。マンチェスター・Cの試合はよく見ます。デ・ブライネやベルナルド・シウバ、フォーデンなんかは自分とポジションが同じなので参考にしています。
――ちなみにチャンピオンズリーグ決勝はご覧になりましたか?
見木 はい、シティには注目していたのですが、力で負けたなという感想ですね。
――システムやスタイルを踏まえると、千葉はチェルシー寄りかなと思います。
見木 僕たちもチェルシーくらいボールを持ちたいですけどね(笑)。守備のハメ方なんかはまだまだですし、守備面でチェルシーはすごく参考になります。
――少し話が逸れましたが……。5月の千葉を語る上で、サウダーニャ選手の存在は欠かせないと思います。サウダーニャ選手とのフィーリングはいかがでしょうか?
見木 彼とのプレーはほぼぶっつけ本番のような状態で、当初は「合うな」という感覚をそこまで持っていなかったのですが、試合を重ねるにつれて「合ってきた」と思います。岡山戦、長崎戦のゴールはすごかったですし、「羨ましいな」と思いながら見ていました(笑)。前線3人のコンビネーションは監督も求めているところですし、もっともっと良くなると思うので、そこは今後も期待してもらえたらと思います。
――千葉在籍3季目(2019年は特別指定選手として9試合に出場)を迎えました。苦しい時もあったと思いますが、改めてこのクラブに対する見木選手の想いを聞かせてください。
見木 大学4年時に1週間練習参加をさせてもらい、最後の練習試合が終わったタイミングでオファーをいただきました。自分を信頼してくれたと思うので、プレーで恩返しができればいいと思っています。特別指定選手の時は大学の勢いのままやっていた部分も少なからずありました。今は中心選手として試合に出ているので、よりチームのことを考えていますし、視野も広がって個人とチームの好調にもつながっていると思います。
――見木選手個人はもちろん、尹監督体制2季目ということでファン・サポーターからの期待も大きいと思います。
見木 昨季と比べたら間違いなくチームは良くなっています。後ろには新井章太選手がいて、鈴木大輔選手も加入しました。ベテランの選手たちがチーム引っ張ってくれて、若い選手は伸び伸びとプレーできています。個人としても今は得点が取れているので、サポーターも期待してくれているのかなと思います。まずは今季J1昇格ができるように活躍していきたいです。
――今季のJ2も上位は混戦模様です。勝ち抜いていく上で大事なことは何でしょうか?
見木 上も下も勝ち点差があまりありません。今は京都や磐田が好調で上位も詰まっているので、最後の最後までわからないと思います。負けないことも大事ですが、引き分けを勝ちにつなげる。負けを引き分けにつなげる。勝ち点1にすごく重みがあると思います。
――では最後にファン・サポーターへ一言お願いします。
見木 まだ順位表では中位ですけど、まだシーズンは半分も終わっていません。より上に行くために勝ち続けて、最後笑って終われればと思うので、これからも応援よろしくお願いします!
By 三島大輔
サッカーキング編集部