[写真]=清原茂樹
■浦和レッズ 今度こそ3バック攻略なるか。好調のK・ユンカーにも要注目
【プラス材料】
リーグ戦は約3週間ぶりになるが、その間にチームはJリーグYBCルヴァンカップのプレーオフステージと天皇杯の2回戦を突破。5月1日に行われた第12節のアビスパ福岡戦に敗れたのを最後に、公式戦での無敗を継続している。中心選手に成長してきたMF小泉佳穂は「ゲーム運びは良くなってきた。我慢するところは我慢してチャンスを待つこともできている」と、苦しい試合展開になったとしても結果を残していることを前向きに捉えている。
また、FWキャスパー・ユンカーが好調を維持しているのも、その苦しい展開でも勝利につなげている大きな要素だと言えるだろう。DFトーマス・デンも復帰からコンディションを上げてきており、選手層も厚くなってきた。
シーズン後半戦に向けてDF酒井宏樹の獲得発表で話題も呼んだが、前半戦のラストスパートを決めたいところだ。
【マイナス材料】
湘南ベルマーレとはすでにルヴァンカップのグループステージで2度対戦したが、いずれも0-0の引き分けだった。3バックを基本にする相手に対しては、まだ攻守ともにスムーズさを欠く試合が続く。
小泉は攻撃面について「間にポジションを取って優位を取ることがしにくくなるのは間違いなく、やりにくさは確かにある」と話す。また、守備面では「相手が3バックだと逆に間に立たれるので、それに対してどうするかというところはまだまだ整理できていないところが多い」とも口にした。
湘南戦までは1週間のインターバルがあり、リカルド・ロドリゲス監督が戦術練習を施す時間は十分にある。それがどれだけ機能するかが大きなカギになると言えそうだ。
文:totoONE編集部
■湘南ベルマーレ 完敗したルヴァン杯の試合を引きずっていなければいいが
【プラス材料】
リーグ戦はもとより、JリーグYBCルヴァンカップや天皇杯を含めて、多くのメンバーが試合に出場している。負傷離脱していた選手もその多くが戦列に戻り、コンディションの向上とともに戦力の充実を感じさせる。競争力が高まる中、再開するリーグ戦で個々の多彩な特長とその連係を発揮したい。
浦和レッズとは今季すでにルヴァンカップのグループステージで対戦済み。2試合ともスコアレスドローと勝敗はつかなかったが、湘南ベルマーレはリーグ戦からメンバーを入れ替えた中でも球際や攻守の切り替えなど、チームとして大切にしているベースを体現した。ことにアウェイでは、ハイプレスから攻勢に転じて相手を押し込むなど、あとはゴールだけと言える戦いを演じている。リーグ戦とメンバーが異なるとはいえ、対戦した時のイメージは悪くない。
【マイナス材料】
プレーオフステージに駒を進めたルヴァンカップは、2試合合計でFC東京に敗れ、プライムステージ進出はかなわなかった。とりわけ直近のプレーオフ第2戦は前半だけで3点を奪われる完敗だった。これまでゼロないし1失点に抑え、守備の安定を土台に負けない戦いを続けてきただけに、大量失点を喫したインパクトは大きい。
守備に課題が浮かぶ一方、ゴールも遠い。プレーオフ第1戦こそ1-0で勝利したものの、天皇杯2回戦はJFLのFC大阪を相手に120分で無得点、その前に行われた第19節のガンバ大阪戦もスコアレスドローに終わっている。振り返れば、今季の試合で複数得点を挙げたのはリーグ戦3試合のみ。セットプレーの得点も少なく、現状打破が求められる。
浦和との通算対戦成績は9勝6分24敗。相手のホームでも4勝3分12敗と、大きく負け越している。
文:隈元大吾