[写真]=鈴木颯太朗、清原茂樹
■ヴィッセル神戸 新布陣で古橋&イニエスタが躍動。控え選手の発奮が待たれる
【プラス材料】
第19節の横浜FC戦を5-0で快勝し、4試合負けなしの2連勝で4位に浮上。上位を維持しており、プラス材料は多い。
中でも、「4-4-2」中盤ダイヤモンド型という新システムによって、MFアンドレス・イニエスタのパフォーマンスが向上している点は見逃せない。今まで以上に相手ゴールに近いエリアでプレーするため、相手DF陣に与える圧力が倍増。高い位置で起点が作れることで、攻撃バリエーションも増えている。
また、代表帰りのFW古橋亨梧が2試合連続ゴールと乗っている。横浜FC戦ではプロ初のハットトリックを達成し、J1得点ランキングで単独トップ(13得点)にも躍り出た。ここ2試合でわずか1失点の堅守も含め、好調と言っていいだろう。
【マイナス材料】
代表ウィーク明けから2連勝のヴィッセル神戸にマイナス材料は少ない。強いて挙げるなら、試合の入り方に課題を残している点だろう。
第18節のアビスパ福岡戦では試合開始2分に古橋のゴールで先制するも、19分には同点に追いつかれている。横浜FC戦ではGK前川黛也の活躍もあって失点はしていないものの、序盤で相手に決定機を2つ作られた。同じ過ちを繰り返すとは思えないが、傾向として序盤にはやや難を抱えている。
また、ベンチメンバーが結果を残せていないのも気になるところ。横浜FC戦はFW田中順也やFWアユブ・マシカ、MF佐々木大樹らアタッカー陣が途中から出場したが、決定機を決めきれず。特にA・マシカは周りの選手とかみ合わず、チャンスも作れなかった。
文:totoONE編集部
■湘南ベルマーレ 2試合連続複数得点と好調の攻撃陣はチームを救えるか
【プラス材料】
前節の柏レイソル戦でJ1初スタメンを記したMFオリベイラは、球際強くボールを奪い、セカンドボールを回収して攻撃につなげるなど特長を発揮した。ペナルティエリア内でのハンドは反省材料も、今後に向けてポジティブなプレーを示したと言えるだろう。
加えて、3月のFC東京戦以来の先発となったDF大岩一貴も献身的な守備や積極的な攻撃参加で存在感を放った。出場機会の限られていた選手のパフォーマンスに日々の充実が見て取れる。また、この日はFWタリクがサイドボランチに入り、チーム最多となる4本のシュートを記録するなど躍動した。昨季も見られた起用法ではあるが、オプションのひとつとして手応えを感じさせた。
今節対戦するヴィッセル神戸との通算対戦成績は11勝9分8敗。相手のホームでも6勝4分3敗と、白星が先行している。
【マイナス材料】
今季初の連勝とはならなかった。前節はホームに柏を迎え、2-4で敗戦。4失点はリーグ戦では今季最多となる。これまで安定した守備で失点を抑えてきたチームにとって、後半アディショナルタイムに3失点を喫して逆転負けした衝撃は小さくない。さらに、2-1とリードした状態で最終盤を迎えていた展開を思えば、ゲームをいかにクローズさせるか、勝つためのビジョンにも課題がうかがえた。順位こそ変わらなかったものの、下位集団は僅差の勝ち点で続いているだけに、リードを守れなかったのは痛い。
3-2の勝利を収めた第18節の浦和レッズ戦(浦和のエントリー違反で公式記録は3-0の勝利扱いに変更)に続き、柏戦でも複数得点を挙げた事実はポジティブに捉え得る。しかし、攻撃のセットプレーを含め、ゴール前の精度を磨き、得点力を高める取り組みは引き続き欠かせない。
文:隈元大吾