[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■徳島ヴォルティス 黒星続くも守備に乱れなし。攻撃回数増やして得点を奪いたい
【プラス材料】
第20節の横浜F・マリノス戦(0●1)はチームトップの5得点を挙げているFW宮代大聖が「筋肉系の違和感で回避した」(ダニエル・ポヤトス監督)とベンチ外だった。ただ、幸いにも長期離脱ではなく、前節の北海道コンサドーレ札幌戦(0●1)に途中出場ながら18分のプレータイムを記録。水曜日に行われた天皇杯3回戦のヴィッセル神戸戦(0●1)にも先発出場した。得点力が課題に挙げられる現状で、宮代に大きなトラブルがなかったのは救いか。
次に失点数。敗戦しているがゆえにメリットと捉えていいか解釈次第ではあるが、直近の3連敗のいずれも最少失点に抑えられている。前半戦を振り返っても大崩れしたのは第11節の柏レイソル戦(1●5)以外にはなく、得点力次第で勝ち点に結びつく可能性はある。
また、前半戦の第7節の清水エスパルス戦(3○0)は今季最多得点で快勝を収めている。
【マイナス材料】
6月のリーグ戦再開から3連敗。リーグ戦6試合勝利なしと、長いトンネルに入った。加えて、直近の流れの中での得点は5月15日に開催された第14節のサンフレッチェ広島戦(1○0)まで遡らなければならないという状況だ。
得点に期待したいところではあるが、まずシュート本数自体が少ない現状。リーグ戦再開後は第19節のFC東京戦(0●1)が5本、続く横浜FM戦(0●1)が3本、直近の札幌戦(0●1)が3本。札幌戦後にFW垣田裕暉が「積極性はチーム全体として足りていない。相手コートまで押し込めている場面が生まれても、簡単にセンターバックまでボールを下げてやり直す展開が多い」と言葉にしている。まずはシュート数を増やせるかどうか。
文:totoONE編集部
■清水エスパルス 攻守でプレーの質が向上。流れの中からの得点増が勝利のカギに
【プラス材料】
現在3試合負けなしで、今季記録している5勝のうち3つを直近の5試合で挙げている。下位チームとの対戦が多かったとはいえ、上位のFC東京にも完勝しており、調子は上向きだ。直近3試合の1試合平均シュート数が13.3本で、シーズン平均(8.9本)に対してかなり増加。ここ2試合は1点止まりだが、チャンスの数は確実に増えている。
前節の大分トリニータ戦は今季初の1-0の勝利。1点を守りきる手堅さが出てきたことは、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督らしいチームになってきたことを意味する。その大分戦では攻撃時と守備時で形を変える可変システムがうまく機能し、戦術的にも柔軟に戦えるようになってきた。結果だけでなく、内容的にも上向きと言えるだろう。
攻撃面では2試合連続でセットプレーから点を取れていることも、勝負強さを増していく意味ではプラス材料だ。
【マイナス材料】
今週月曜日にDFエウシーニョが左内転筋肉離れで全治4週間と発表された。MFヘナト・アウグスト、DF鈴木義宜、MF中村慶太らもまだ復帰時期の目途が立っておらず、主力級の選手を4人欠いているのは痛いところ。特に守備陣は層が薄くなっているので、これ以上ケガ人が増えると苦しくなってくる。
プラス要素としてセットプレーからの得点増加を挙げたが、逆にここ2試合はそれ以外の得点がなく、チャンスを決めきるという面では物足りない。FWチアゴ・サンタナ以外に計算できる得点源が現れていないのは継続的な課題だ。
徳島ヴォルティスに対しては、4月4日のホームゲームで0-3の完敗。相手のパス回しをなかなか止められず、押し込まれて守備に回る時間が多くなり、体力的にも消耗させられた。今節も同じ悪循環にはまらないように対策できるかが注目される。
文:totoONE編集部