[写真]=小林渓太、金田慎平
■清水エスパルス ボール保持の時間をどれだけ増やせるかが勝負のカギに
【プラス材料】
第22節の徳島ヴォルティス戦ではDF片山瑛一のロングスローとカウンターから2得点を記録。最近はCKからの得点が多かったが、そこにロングスローも加わり、カウンターからも良い形でチャンスが作れている。そこは対川崎フロンターレという意味でも大きなプラス材料と言えるだろう。
また、右サイドバックや3バックでプレーしているMF原輝綺が2試合連続で得点するなど絶好調で、彼がカウンターやセットプレーで身体能力の高さを生かしているのも頼もしいところ。彼の他にも空中戦に強い選手は揃っており、川崎Fに押し込まれる展開になったとしても、カウンターからセットプレーを獲得し、そこから得点を取れる可能性は十分にある。
現在4試合負けがなく(2勝2分)、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の戦術の浸透度は高まっている。老練な指揮官の川崎F対策をうまく体現できれば、勝機も見出せるはずだ。
【マイナス材料】
徳島戦は75パーセント以上ボールを支配され、自陣で戦う時間が多くなった。徳島にある程度ボールを持たせるのは想定内だったが、奪ったボールをすぐに奪い返されてしまうシーンが多く、なかなか押し返せない状況が続いた。
川崎Fも攻から守への切り替えが速く、同様の展開を狙ってくるチーム。徳島戦の課題を修正できなければ、さらに耐える時間が長くなる恐れがある。そうなると、川崎Fは徳島以上に守備組織を揺さぶる力があるため、暑さが増してきた中で体力的にも消耗させられ、最終的には足が止まって攻め崩されてしまう可能性が高くなる。
ここまでの28失点中10失点をラスト15分で取られているというデータも懸念材料だ。自分たちでボールを保持する時間をいかに増やせるかという部分が、この試合の大きな注目点となるだろう。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ ACLで戦列復帰を果たした“背番号10”の躍動に期待
【プラス材料】
ウズベキスタンでの集中開催となったACLのグループステージを6戦全勝。堂々の首位突破を果たした。ターンオーバーを巧みに駆使したことで、出番の少なかった若手も試合経験を積むことができ、チームとしても収穫の多かった大会だったと言えるだろう。
帰国して迎えるリーグ戦となるが、期待したいのはMF大島僚太だ。開幕前に負った右腓腹筋の肉離れにより長らく離脱していたが、このACLで復帰。久々の先発出場で見事な得点を挙げるなど、結果も示した。その存在感には指揮官も「実際に入ると、彼にしかない時間、見えないものがある。正直、驚いているのが率直な思いです」と評したほど。地元である清水の『IAIスタジアム日本平』では2018年と2019年に得点を挙げており、相性も良い。頼もしい背番号10の、今季リーグ戦初出場に期待がかかる。
【マイナス材料】
約3週間滞在していたウズベキスタンから帰国。だが、帰国後2週間は隔離期間となるため、チームはバブル方式で試合に向けたトレーニングを行っている。湿度の高い日本に戻ってきた中で、選手たちのコンディション調整はポイントとなりそうだ。
東京五輪に臨むU-24代表に選出されたMF三笘薫とFW旗手怜央が不在の中で迎える一戦となる。2人のポジションにはレギュラークラスの選手が控えているだけに、チームとしても遜色なく戦えるはずだ。ただ、FW小林悠が左膝内側側副靭帯損傷で全治6週間と診断されて離脱。清水エスパルスの守備組織の攻略を考えると、三笘も含めて勝負を決める仕事ができる選手が不在なのは、懸念材料になるかもしれない。
自慢の得点力で勝ち点3のみを積み重ねて、首位を独走していきたい。
文:いしかわごう