[写真]=J.LEAGUE、鈴木颯太朗
■北海道コンサドーレ札幌 試合勘の部分で優勢も、迫力不足の攻撃が気がかり
【プラス材料】
敗れたとはいえ、7月30日に未消化となっていた第4節のガンバ大阪戦を行ったことはアドバンテージになり得る。約1カ月ぶりの公式戦となる浦和レッズに対して、10日ほど前に強度の高い試合をこなせているのは大きい。
実際にG大阪戦ではミハイロ・ペトロヴィッチ監督も試合勘の部分について言及しており、そこが敗因のひとつにもなっていた様子。再開2戦目という優位性を生かしたいところであり、加えてG大阪戦も試合の入りは非常に良かったため、内容的に劣悪だったわけではない。より試合勘を高めた状態で挑めるこの試合では、白星獲得に向けて選手のモチベーションもより高まっているはずで、そこもプラス材料となる。
また、G大阪戦は負傷の影響で出場を回避したMF宮澤裕樹の復帰の可能性もある。そうなればチームとしてもより引き締まるはずだ。
【マイナス材料】
得点力不足はマイナス材料に挙げられるだろう。G大阪戦では相手の倍以上となる15本ものシュートを放ちながら無得点。相手GKの好セーブがあったとはいえ、得点を奪いきることができなかった。
12得点を挙げていたFWアンデルソン・ロペスが移籍し、その穴を埋める必要がある状況だが、現時点では夏の移籍期間での新加入選手はなし。FWジェイら能力の高いFWや攻撃的MFがいるにはいるが、単純計算で得点力が低下していることは間違いない。既存の攻撃陣にはさらなる奮闘が期待されるものの、簡単に解決ができる部分ではないので、マイナス材料と言わざるを得ない。
攻撃面での工夫が求められるが、果たして。
文:totoONE編集部
■浦和レッズ 注目は新戦力の江坂。司令塔・小泉との同時起用の可能性も
【プラス材料】
約1カ月の中断が明けての初戦となる。この間は最初の1週間をオフとし、その後にトレーニングを積んできた。しかし、新型コロナウイルス陽性の選手がいたことがクラブから発表されたことも一因と見られるが、すべてのトレーニングが非公開だったことから、チームの仕上がり具合を推し量るのは困難だ。
後半戦に向けた新戦力の中で、初戦からの出場が現実的なのは柏レイソルから加入したMF江坂任だろう。前半戦は途中加入のFWキャスパー・ユンカーが最前線で存在感を発揮し、その近くで主にプレーしたのがMF小泉佳穂だった。しかし、江坂は小泉よりもゴールに近い位置での仕事を得意とし、小泉は組み立ての部分でも力を発揮する。同時起用なら、小泉がボランチに下がるパターンやMF柴戸海のアンカー起用も想定されそうだ。
【マイナス材料】
シーズン後半に向けて新戦力の補強も行ったが、東京五輪に出場しているDF酒井宏樹、入国後14日間の隔離から合流見込みのDFアレクサンダー・ショルツにはある程度の時間が必要だろう。酒井と同じく、東京五輪に出場しているGK鈴木彩艶やDFトーマス・デンもまた、この期間のチームトレーニングには参加できなかった。
北海道コンサドーレ札幌とはプレーシーズンの沖縄キャンプ、3月のリーグ戦で対戦しているが、いずれもマンツーマンに近い形でプレスを受けて十分な機能性を発揮できなかった。リカルド・ロドリゲス監督は一貫して4バックで守備を構成しているが、その例外として5枚にせざるを得なかったのが3月の札幌戦だと話しており、難敵なのは間違いない。
7月30日に1試合消化している札幌とは試合勘の差もあるだろう。順位表を参考に楽観することは全くできない試合だ。
文:totoONE編集部