[写真]=小林渓太、兼子愼一郎
■清水エスパルス チーム戦術の浸透で手応えつかむも、いまだ攻守に課題あり
【プラス材料】
中断前の5試合は序盤戦より良い流れで戦えていた。4試合負けなし(2勝2分)から最後の川崎フロンターレ戦は0-2で敗れたが、内容的には手応えのある戦いができて勝機もあった。
その背景として、ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の戦術に対する理解が浸透し、相手や状況に応じた戦い方ができるようになってきたことも大きい。そこから3週間のインターバルで肉体的にリフレッシュし、戦術的な洗練度を高めたとすればプラス材料となる。
戦力面ではMFホナウド、MFベンジャミン・コロリ、MF松岡大起という大型補強を敢行。特に松岡はすぐにでも出られる状態なので、いきなり試合に絡んでくる可能性もある。中断前に加わったDF井林章は川崎F戦でフル出場し、ビルドアップの面で持ち味を発揮した。そこもチームとして課題にしている部分なので上積みが期待できる。
【マイナス材料】
試合内容が良くなってきているとはいえ、セットプレー以外からの得点が少なく、チャンスを作った時の決定力も物足りない。決めるべきところを決めきれず、守るべきところを守りきれないという課題がまだ残っているため、勝ち点を逃した印象の試合が目立つ。
そこを補うためにホナウドやコロリら新戦力を加えたが、まだチームに合流できておらず、本来の力を発揮するには時間がかかるだろう。攻撃陣の中で絶好調の選手が現れてくれれば状況は変わってくるが、そこは計算できない部分だ。
また、川崎F戦で負傷退場したFWカルリーニョス・ジュニオは別メニュー調整が続いており、彼が出場できないとなればマイナス材料となる。DFエウシーニョやMF中村慶太など負傷者も徐々に練習に合流してきたが、今節出場できるかどうかは何とも言えない。
文:totoONE編集部
■横浜F・マリノス 好調の攻撃陣に不安なし。懸念は守備の要不在と体力面
【プラス材料】
7月10日に行われた第22節のアビスパ福岡戦以来のリーグ戦となった、6日の第6節のガンバ大阪戦は3-2で競り勝った。これで2019年以来となるリーグ戦7連勝を飾っている。
FWエウベルとFWマルコス・ジュニオールのブラジル人アタッカーがともに今季4得点目を決め、途中出場のMF水沼宏太が今季初得点となる決勝点を記録した。さらに、新加入のFW杉本健勇はポスト直撃のヘディングシュートを放ち、これが水沼のゴールにつながった。ゴール前での力強さという持ち味を発揮してチームの勝利に貢献できたことは、今節以降にもポジティブに作用するだろう。
対戦相手の清水エスパルスにはリーグ戦で昨季から3連勝中と相性が良い。連勝中の勢いを利用して8連勝を目指す一戦だ。
【マイナス材料】
チームで唯一、開幕から全試合フルタイム出場を続けてきたDFチアゴ・マルチンスがG大阪戦で累積4枚目となる警告を受けたため、今節は出場停止となる。圧倒的なスピードを誇る守備の要が不在となるのは大きな痛手で、チームとしての戦い方に少なからず影響を与えるだろう。代役はベテランのDF實藤友紀か。豊富な経験を生かした立ち回りで守備に落ち着きをもたらしたい。
加えて、チーム全体のコンディションにも不安が残る。清水が中断明け初戦なのに対して、横浜F・マリノスはG大阪戦から中2日の強行軍となる。そのため選手をターンオーバーする可能性もあり、その時にチーム力を高いレベルで保てるかどうか。総力戦必至の一戦だ。
文:totoONE編集部