[写真]=兼子愼一郎
■サガン鳥栖 移籍した松岡の穴を埋められるか。代役の出来が勝敗のカギを握る
【プラス材料】
上位に位置しているとはいえ、一時期の好調さに陰りが見える。序盤の貯金がここにきて生きているようだ。今節は勝ち点差「3」で追ってきているFC東京をホームに迎え撃つことになるが、FC東京は直近のリーグ戦6試合負け知らず(4勝2分)で上位を急追している。
そんな中でプラス材料を挙げるとすれば、FW林大地がU-24日本代表で存在感を示したことだろう。6日の3位決定戦を終えてからのチーム合流なので、コンディションの心配はあるものの、あの活躍ぶりをホームグラウンドでも見せてほしい。拮抗した試合の中では、世界中のサッカーファンに見せつけたアグレッシブなプレーが生きてくる。出場時間は短いだろうが、期待せずにはいられない。
【マイナス材料】
今季も中心選手としてチームを牽引していたMF松岡大起が清水エスパルスに移籍した。突然のことで誰もが驚いたことだが、彼にとっては将来を見据えた移籍なので応援したい。
しかし、一番の不安事は彼の代役である。ボランチの選手はいるが、攻守において松岡の代わりとなると適役はなかなか見つからない。強いて挙げるとすれば、守備のユーティリティプレーヤーであるMF島川俊郎か。対人の強さとタフさにおいては松岡に負けていないが、攻撃にどれくらい絡めるのかがポイントになるだろう。アンカーとしては定評があるだけに、プラスアルファのプレーを見せてほしいところだ。
また、金明輝監督の指揮資格停止処分もこの試合までと言われている。五輪代表も帰ってきた。良い形で再スタートを切るための布石の試合としたい。
文:totoONE編集部
■FC東京 重なる不安要素を跳ね除け、敵地で6年ぶりの凱歌を揚げられるか
【プラス材料】
7月21日に行われた第21節は、2点を先行しながらもセレッソ大阪の反撃に苦しんだ。打ち合いの末、MFレアンドロが同点弾を決め、追いつく形でドローに持ち込んだ。これにより5連勝は果たせなかったものの、5月30日以降の試合を4勝2分に。負けなしとしたことは明るい材料だ。
長期離脱していたMF渡邊凌馬が練習に復帰。また、夏に加入したDF鈴木準弥がC大阪戦でJ1初出場を果たした。そこから中断期間があったため、じっくりチームにフィットさせる時間が持てたはず。7月の試合ではDF小川諒也を右に配し、左サイドバックを務めたDFバングーナガンデ佳史扶も好パフォーマンスを見せていたため、今節のスタメンは流動的。だが、先発や交代のチョイスが広がることはチーム力アップに向けて、大きなプラスと言えるだろう。
【マイナス材料】
5月30日に行われた第17節のサンフレッチェ広島戦から第22節の湘南ベルマーレ戦まで、5試合連続で無失点を続けていた。だが、C大阪戦では3失点。暑さの影響もあったか、集中力を欠いてしまう場面があった。まずはもう一度守備を立て直し、厳しいディフェンスからリズムをつかむ、FC東京らしさを取り戻したいところだ。
ただし、今節はDF森重真人が累積警告による出場停止に。そのため、DFブルーノ・ウヴィニやDFジョアン・オマリらの起用も考えられるが、足元が巧みなDF岡崎慎を抜擢する可能性もある。
サガン鳥栖との対戦成績は2019シーズン以降4連敗と、極めて相性が悪い。その中でも『駅前不動産スタジアム』はFC東京にとって鬼門とも言える会場で、2016年以降は1分4敗と一度も勝利をつかめていない。中断期間を経て、7月までの好調ぶりや勢いを再現できるかは未知数だ。この再開初戦に注目したい。
文:totoONE編集部