[写真]=鈴木颯太朗
■横浜F・マリノス 好調の波に乗る攻撃陣の活躍で前回対戦の借りを返せるか
【プラス材料】
前節はサガン鳥栖を4-0で破り、これで13試合負けなし(11勝2分)に。ついに首位の川崎フロンターレまで勝ち点1差に迫るなど、数字も軒並み高水準だ。
鳥栖戦を終えての総得点が川崎Fを上回る「60」得点となり、直近の3試合で14得点と攻撃陣が絶好調。8試合連続複数得点中で、18試合続けて得点を挙げている。鳥栖戦ではFW前田大然がシーズン14得点目をマークし、FWレオ・セアラが3試合連続となる8得点目を記録。さらにFW仲川輝人に待望の今季初ゴールが生まれるなど、役者が揃い踏みとなった。
圧倒的な攻撃力と爆発力でこの試合も制することができるか。11勝3分と今季無敗を誇るホームゲームで難敵の鹿島アントラーズを撃破したい。
【マイナス材料】
13試合負けなしだが、最後に敗れたのが5月15日に行われた第14節の鹿島戦だった。その試合は3得点を奪いながらも、シーズンワーストとなる5失点を喫して敗れている。当時とはチーム状況が大きく異なるとはいえ、もし苦手意識があれば今節はひと筋縄にはいかないだろう。タイトルを目指すためには絶対に避けて通れない壁で、ここを勝てれば視界は大きく開けるはずだ。
さらに不安なのが、守備の要であるDFチアゴ・マルチンスの出場可否が微妙な点だ。最近の2試合を負傷欠場しており、前の試合から中2日と時間がないことを考えると今節の出場も難しいかもしれない。代役の務めるDF岩田智輝が高いパフォーマンスを見せているとはいえ、ハイラインディフェンスを支えるブラジル人センターバックの不在は大きな痛手となる。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 点取り屋の復調に守備の柱の成長。各ポジションに上積みあり
【プラス材料】
第25節のヴィッセル神戸戦に敗れたものの、前節はアウェイで清水エスパルスに快勝。DF犬飼智也を累積警告による出場停止で欠いた中、しっかり無失点に抑えている。チームが連敗しなかったのは大きなプラス材料で、個人に目を移しても3つのプラス材料が見えてきた。
まずは、東京五輪にも出場したFW上田綺世の復調。清水戦で決めたミドルシュートはストライカーとしての格が一枚上手であることを証明するものだった。次に、MFアルトゥール・カイキがチームに馴染んでいることも手に取るように分かった。得点を重ねてきていることもそうだが、相手のパスコースに入るのが特にうまい。ショートカウンターの起点としても機能していくだろう。そして最後に、DF町田浩樹のコーチング。意識して声を出すようにしているといい、味方を使いながら守る術を覚えてきている。
【マイナス材料】
大勝した清水戦では多くのプラス材料が見られた半面、マイナス材料もなかったわけではない。
個でも組織でも成熟しているとは言えない清水を相手に、なかなか守備がはまらなかった点だ。相馬直樹監督も「暑さ、連戦(での疲労蓄積)の影響もあって相手が狙っている形が徐々に増えてきた」という状況からなかなか抜け出すことができなかった。今節は攻撃の形を持っている横浜F・マリノスが相手。ホームゲームということで積極的に仕掛けてくるだろう。対応できない時間が長くなればなるほど、失点リスクは高まっていく。この点は不安要素になる。
また、失点こそないが、セットプレーの守備が少々危うく見える。勝たなければ上位進出を阻まれる一戦で、いかに相手に対応できるかがカギと見る。
文:totoONE編集部