[写真]=金田慎平、兼子愼一郎
■サンフレッチェ広島 快勝の原動力となった若手&外国籍選手の活躍に期待
【プラス材料】
前節の大分トリニータ戦は4-1で快勝。しかも、PKで先制されながら崩れず、今季3度目(ホームでは初)となる逆転劇を演じてみせた。
PKを与えてしまったMFエゼキエウが同点ゴールを叩き込み、悩みに悩んでいたMF東俊希が直接・間接を含めて4得点に絡む活躍。ボランチで今季初先発を飾った2年目のMF土肥航大も同点ゴールの起点となる美しいサイドチェンジを見せるなど、伸び悩みが指摘されていた若者たちが結果を出したことは、育成型クラブであるサンフレッチェ広島にとって、ただの1勝以上の価値がある。
4月10日に行われた第9節の湘南ベルマーレ戦以来の先発出場となったFWドウグラス・ヴィエイラがゲームの流れを作り、ベンチスタートとなったFWジュニオール・サントスが2得点と、持ち前の破壊力を見せつけたことも好材料だ。
【マイナス材料】
日本代表にDF佐々木翔が招集されたため、この試合は欠場。ヴィッセル神戸もFW大迫勇也が同様の理由で不在となるわけだが、佐々木は戦術面でも精神面でも代えの利かない存在。主将が最終ラインにいない中で神戸の破壊力に満ちた攻撃陣を抑えるのは、骨の折れる作業だ。
また、大分戦で故障あがりながら奮戦したMF森島司のリバウンド、途中交代したDF野上結貴の状態も気になるところ。実際、1日の練習では大分戦からのリカバリー的な事由もあったにせよ、別メニュー組が少なくなかった。FW鮎川峻とFW永井龍を除けば、長期離脱の可能性は少ないとは思われるが、神戸戦のメンバーのやりくりは試合直前まで続く模様だ。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■ヴィッセル神戸 両サイドバック好調も、迫力&駒不足の前線に不安あり
【プラス材料】
前節のFC東京戦は0-1で敗れたが、ヴィッセル神戸らしいポゼッションゲームは貫けた。順位は4位に後退したものの、勝ち点47で並ぶ4チームの中で1試合少ないのは神戸だけ。今節に勝てば、鹿島アントラーズを抜いて3位に浮上できるため、チームのモチベーションは高いはずだ。
プラス材料としては、両サイドバックのDF酒井高徳とDF初瀬亮が好調を維持している点が挙げられる。酒井は第26節の大分トリニータ戦でFW武藤嘉紀のアシストから今季初得点をマーク。FC東京戦では豊富な運動量を生かし、守備で何度もチームを救っていた。初瀬は常に高い位置でプレーして、ドリブルでの仕掛けや正確なクロスで左サイドの起点になり続けている。今節も両サイドでイニシアチブを握れる可能性は高い。
【マイナス材料】
8月は2勝2敗の勝率5割。第25節の鹿島との上位決戦には勝ったものの、下位の柏レイソルや中位のFC東京を相手に取りこぼしたのは痛い。3位争いに残るためには今節がひとつの正念場となる。
その中で、代表活動によりFW大迫勇也が不在なのはチームにとって大きなマイナス材料だろう。FC東京戦は武藤がベンチ外で、今節に出場できるかどうかも分からない。否が応でも古巣対決のFWドウグラスに注目が集まるが、彼も8月の4試合は無得点と今ひとつ調子が上がっていない。FW田中順也もここ2試合はベンチ外。攻撃陣の編成に頭を悩ませそうだ。
守備では、FC東京戦で終盤に失点するという悪いクセが再発。密集エリアをパスワークで崩されており、精神的ダメージも大きそうだ。
文:totoONE編集部