[写真]=兼子愼一郎、鈴木颯太朗
■FC東京 嫌なジンクスを断ち、2カ月ぶりの本拠地で勝利の美酒に酔えるか
【プラス材料】
7月11日の第22節から始まったアウェイ7連戦は、3勝2分2敗で乗りきった。先週行われた北海道コンサドーレ札幌とのJリーグYBCルヴァンカップ準々決勝は逆転で準決勝進出を決めており、チームには勢いがある。何より今節は2カ月ぶりの本拠地『味の素スタジアム』でのゲームとなるため、選手たちの士気も高い。
直近の試合ではプレー強度を保ち、主導権を握った時には多くのチャンを生み出した。前節のヴィッセル神戸戦でMFレアンドロが決めたゴール、5日に行われた札幌との準々決勝第2戦でMF東慶悟が記録した得点は、素早い連係・連動性が結実したもの。長谷川健太監督も「チームでトライし続けていることが形になり始めている」と手応えを話す。
また、途中加入のDF鈴木準弥がポジションをつかみ、MF三田啓貴のボランチでの起用に目処が立ったこともプラス材料だ。
【マイナス材料】
1日に開催された札幌との準々決勝第1戦のように、相手にボールを保持された時の戦い方には課題が残る。プレスをかわされると自陣に押し込まれ、苦境に陥った。そのため、前線からのプレスに関しては修正が必要と言えるだろう。
DFジョアン・オマリはレバノン代表の活動に参加した後、8日に帰国。隔離期間もあるため、今節の出場は難しそうだ。センターバックの一角にはDF渡辺剛の起用が濃厚だが、J・オマリはリーグ戦で攻守にわたって勝利に直結する活躍を見せていただけに、マイナス材料になり得る。
『味の素スタジアム』での柏レイソル戦は、2016年から4連敗中と分が悪い。柏に主導権を握られた時の戦い方がカギになるはずだ。
文:totoONE編集部
■柏レイソル ビッグセーブでチームを救ってきた守護神の動向が気がかり
【プラス材料】
代表戦によるリーグ戦の中断期間を連勝で迎え、ネルシーニョ監督は「良い雰囲気でトレーニングができた」と振り返った。8月は3勝1分1敗と、この結果が示すとおり、チーム状態は上向きにある。組織的な守備と奪ってからスピーディに仕掛けるカウンターという戦い方が確立され、チーム全体が同じイメージを共有し始めたことが好調の要因だ。
直近の2試合はFWペドロ・ハウルとFW武藤雄樹が欠場したが、FW瀬川祐輔とFW細谷真大が攻守に献身的なプレーを見せることでチームの躍動につなげた。また、依然として決定力には課題が残るものの、その中でFWクリスティアーノが5試合で3得点と、好調をキープしていることも大きなプラス材料だ。
【マイナス材料】
日本代表の選手は帰国後3日目よりコロナ陰性が確認されれば試合出場可能という規定が設けられたが、韓国代表に招集されたGKキム・スンギュにこの規定が当てはまらない場合、守護神を欠いた状態で試合に臨まなければならない。最近の試合ではビッグセーブを連発して失点を防いでいるだけに、彼の不在は間違いなくチームにとって大きな痛手となる。
P・ハウル、武藤、DFエメルソン・サントス、MFドッジなど主力選手に離脱者が多く、いまだベストの布陣が揃わない点も痛い。今回の代表戦による中断期間中にケガから復帰した選手がいるとの情報もあるが、シーズンを通じて負傷者が多い実情が戦いをより困難にしている。
文:鈴木潤