[写真]=Getty Images、鈴木颯太朗
■名古屋グランパス 直前の試合で新エースが大爆発。攻守における隙はほぼなし
【プラス材料】
火曜日に行われたACLラウンド16の大邱FC戦で見せた勝ち方は、今後名古屋グランパスと対戦するすべてのチームに大きな脅威を与えたに違いない。チーム全体で攻守において手堅く、そしてアグレッシブに試合を進めるマネジメント力を発揮して、2度のビハインドを4得点で跳ね返してみせた。
その原動力となったFWシュヴィルツォクの大立ち回りは、さすが現役ポーランド代表という破壊力と説得力に満ちたものだった。得点パターンは多彩で、とりわけ左サイドはもはや“クバゾーン”と呼びたくなる。そうした彼の特長をチームメートもつかんできたか、DF吉田豊やFW前田直輝は好連係を見せ始めており、個の力をチームで生かす攻撃の流れは今後の進化に大きな期待が持てる。
【マイナス材料】
公式戦ここ9試合で8勝1分という好成績が、連戦の疲労を軽減しているのは過密日程の中に見出せる好材料。とはいえ、選手に疲労がないわけではなく、選手起用のマネジメント面でマッシモ・フィッカデンティ監督もさまざまな采配を練っているに違いない。
ACLの大邱FC戦から中3日と比較的余裕はあるが、それでも週2~3回というスパンでの試合はチームへの負担も大きく、選手交代やスタメンの入れ替えなどをどのようにプランニングしてくるかは勝負を分ける要素ともなる。ACLで爆発したシュヴィルツォクや前田、FWマテウスなど継続起用している選手たちをいかに休ませるか、休ませられる戦いにできるか。そのことを2位の横浜F・マリノスに対して考えなければいけないのは、なかなか思案のしどころか。
文:今井雄一朗
■横浜F・マリノス 絶好調のリーグ得点王に期待も、軸不在の最終ラインに不安あり
【プラス材料】
ここまで28試合を消化し、リーグトップの総得点「63」を誇る攻撃陣は圧巻の破壊力だ。
特に得点ランキングトップの15得点を挙げているFW前田大然は絶好調。前節のサンフレッチェ広島戦でも得点を記録しており、今季ゴールを決めた試合は10勝1分と圧倒的な勝率を誇る。首位の川崎フロンターレよりも消化試合数が1試合多いとはいえ、勝ち点「1」差に迫っている。早ければ今節終了後にも暫定ながら首位に立つ可能性があるだろう。
対戦相手の名古屋グランパスとは約1カ月前の8月12日に対戦し、2-0の完勝を収めている。今節はその再現を狙う一戦で、自慢のアタッキングフットボールで2連勝を目指す。
【マイナス材料】
8月28日に行われた第27節の鹿島アントラーズ戦で負傷交代したDF畠中槙之輔は左ハムストリング付着部損傷(全治6カ月の見込み)と診断され、今季中の復帰が絶望的となった。さらに広島戦前日の練習でDFチアゴ・マルチンスが再負傷し、試合の出場を回避。現在は別メニュー調整ながらボールを蹴っているため重傷ではないが、8月後半から負傷が続いているだけに、今節から復帰できるかどうかは微妙な状況だ。
それに加えて、広島戦でFW仲川輝人とDF小池龍太が負傷。その後の練習で負傷したMF天野純とともに、今週前半は別メニュー調整で過ごした。ここにきて負傷者が続出しており、試合に向けたマネジメントが難しくなっている。
文:totoONE編集部