[写真]=兼子愼一郎
■ベガルタ仙台 用意した複数のシステム&セットプレーで勝ち点3奪取なるか
【プラス材料】
前節の清水エスパルス戦に敗れてしまったが、再起をかける今節に向けて、いくつかの収穫はあった。清水戦では「4-4-2」の基本システムに加え、「3-4-3」や「3-5-2」のオプション布陣を実践。後者は今季初めて試合で採用した攻撃型のシフトだったが、今後に向けて使用のメドが立った。複数のシステムを大一番の前に用意できているのはプラス要素だ。
清水戦でFWフェリペ・カルドーゾに加入後初得点が生まれたことも好材料。これまで出番を得ながらゴールだけが足りなかったストライカーに待望の一発が出たことで、今後の量産も期待できる。
さらに、そのゴールはCKから生まれたもので、現在2試合続けてセットプレーから得点している。膠着状態を打開するセットプレーの攻撃も頼もしい要素だ。
【マイナス材料】
連勝を逃したことが最大のマイナス要素だ。しかも、その相手は残留争いのライバルである清水で、これまで好プレーを見せ続けてきたGKヤクブ・スウォビィクのミスが失点につながるなど、内容面でもショッキングなものだった。再び残留争いのライバルとの直接対決となる今節を前に、早く切り替えなければならない。
また、清水戦でのもうひとつの失点はCKから喫したもの。セットプレーからの失点は今季の課題で、徳島ヴォルティスとの前回対戦(第8節)でもセットプレーから決勝点を奪われた。相手のセットプレーに対する守備にマイナス要素がある。
そして、第28節のガンバ大阪戦で2ゴールを決めたFW富樫敬真が前節をケガで欠場したことも不安材料だ。今節に間に合えばいいが、その場合でも先発出場は厳しいだろう。
文:totoONE編集部
■徳島ヴォルティス 連敗ストップへ。フレッシュな前線コンビの活躍に期待
【プラス材料】
前節の川崎フロンターレ戦(1●3)は敗戦ながら、攻撃面で相手を脅かすプレーを数多くできた。特に先発したFW垣田裕暉とFW一美和成の前線コンビの連動性が良く、一美は待望の加入後初得点を挙げることもできた。また、両者とも180センチ超えの大柄なタイプでセットプレーの強みも増す。
そして、川崎F戦では新加入のFWムシャガ・バケンガが加入後初出場を果たした。チームとしての生かし方は追求していく必要がありそうだが、いずれにせよゴールに向かう姿勢とその能力が本物であることは途中出場の限られた時間でも十分伝わってきた。今節のベガルタ仙台戦でも流れを変えられるスーパーサブとしての期待値は高い。
川崎F戦で出場停止だったMF岸本武流が復帰。川崎F戦翌日にはJエリートリーグのファジアーノ岡山戦(2○1)に出場しており、コンディションは万全だ。
【マイナス材料】
負傷離脱者が増加傾向にある。第28節の名古屋グランパス戦(0●3)でMF杉森考起とFW宮代大聖がベンチ外。川崎F戦は宮代が期限付き移籍による契約によって出場できなかったものの、その翌日に開催されたJエリートリーグの岡山戦も含めて両者ともメンバー入りできていない。
加えて、Jエリートリーグの岡山戦でMF渡井理己が負傷離脱。ケガの箇所や症状はクラブからリリースされていないが、試合の様子を見る限り、仙台戦の出場は難しそうなピッチの去り方だった。
試合内容や戦い方は改善傾向にあり、監督・選手の表情やコメントからも復調の兆しが感じられる。しかしながら、6連敗という結果は変わっていない。ここで悪い流れを断ち切れるかどうか。
文:totoONE編集部