[写真]=宮地輝、兼子愼一郎
■北海道コンサドーレ札幌 詰めの甘さを克服できれば勝ち点獲得の可能性も
【プラス材料】
まずは前節のヴィッセル神戸戦から中7日の日程で、オフを挟みながらしっかり練習して試合への準備ができたことは大きい。かねてより「札幌は練習で連係を向上、確認をしながら戦うことで成長する」チームである旨の発言をミハイロ・ペトロヴィッチ監督はしており、その意味では時間を割いてこのサンフレッチェ広島戦に向けて調整ができたことが大きなプラス材料と言えるだろう。
負傷により神戸戦の出場を回避した俊足FW小柏剛が今週は練習に復帰している模様。彼が出場できるようであれば、得点力は間違いなくアップする。
また、今夏に加入したFWミラン・トゥチッチも試合や練習を重ねるごとに周囲との連係が高まっている様子。Jリーグ初ゴールに向けてモチベーションも高まっているはずだ。
【マイナス材料】
ここ最近は黒星が先行しているうえ、敗れた試合はどれも無得点に終わっているとあって、得点力不足を露呈している。さらに言えば、どの試合もボールをコントロールし、チャンスも作れているため、得点力不足というよりは決定力不足という表現のほうが適切かもしれない。チャンスの形もFWだけでなく、中盤の選手たちも走り込んで決定機に関わっており、非常に良い。それだけに、得点が奪えずに勝ち点を取り逃しているのはとても歯がゆいところである。
また、DF福森晃斗が負傷離脱しているため、左センターバックに本職ではない選手が起用されている状況で、ここも相手に狙われている印象だ。決定力の向上と同時に守備力の向上も求められる。
文:totoONE編集部
■サンフレッチェ広島 前線で存在感を発揮するブラジル人FWのプレーに注目
【プラス材料】
前節のセレッソ大阪戦に0-1で敗れたが、第29節の柏レイソル戦でハットトリックを達成したFWドウグラス・ヴィエイラの好調ぶりは明白だ。まずボールを失わない。C大阪戦でも迫力あるプレッシャーを受け続けたが、ボールロストはほとんどなかった。しっかりとしたポストプレーで周囲を動かし、自らも裏に飛び出して決定的なシーンを迎えている。彼を軸として押し上げることができれば、安定した攻撃を仕掛けることができるだろう。
また、C大阪戦で先発したMF浅野雄也も、武器とする裏への飛び出しに切れ味が戻ってきた。87分に決めたゴールはオフサイドと判定されたが、後に映像を見てもオンサイドと判定されていいほど微妙なもの。D・ヴィエイラのポストからいいスルーパスが出れば、浅野がゴールネットを揺らす確率も上がってくる。
【マイナス材料】
柏戦で見事なパフォーマンスを演じて完勝したかと思えば、C大阪戦では低調な戦いに終始して0-1というスコア以上の完敗。どうにもプレーが安定しない状況が続いている。C大阪戦はミッドウイーク開催だったため、メンバーを何人か代えたが、それだけでプレー内容に大きな振り幅があるようではシーズンを戦い抜くのは厳しい。
また、特に後半戦はずっとチームを牽引してきたMF柏好文がC大阪戦で膝を負傷して途中交代。城福浩監督は試合後の会見で「札幌戦の出場は厳しい」と語っており、簡単なケガではなかったことを示唆した。加えて、DF荒木隼人も右足首をC大阪戦の終盤で痛めており、北海道コンサドーレ札幌戦の出場に不安が残る。
今回の会場『札幌ドーム』ではJ1で勝利したことがないという事実もまた、不安材料のひとつだ。
文:紫熊倶楽部 中野和也