[写真]=Photoraid、兼子愼一郎
■セレッソ大阪 前節見せた多彩な攻撃を再現できるか。攻撃陣の奮起がカギを握る
【プラス材料】
8月中旬から始まった怒涛の13連戦のラストとなるホームでの鹿島アントラーズ戦。チームは満身創痍だが、最後の力を振り絞って戦いたい。前倒しでミッドウイークに開催された第32節のサンフレッチェ広島戦は1-0で勝利。リーグ戦3試合ぶりとなる白星を敵地から持ち帰った。
最少得点差での勝利となった広島戦は、シュート数15対3と圧倒したように効果的な攻撃ができていた。FWが裏へ抜けたり、サイドからコンビネーションで崩したり、多彩なアタックを披露。ハードワークを生かした前からの連動した守備も90分間最後まで途切れず、会心の勝利だったと言える。
長らく戦列を離れていたDF進藤亮佑が広島戦で復帰。自ら決勝ゴールを挙げて、チームを大いに盛り立てた。鹿島戦は前回対戦同様、拮抗した展開になるはず。広島戦で手にした自信をさらに深める一戦にしたい。
【マイナス材料】
広島戦から中3日で挑む鹿島戦。今回も先発は3~4人の入れ替えが予想される。復帰後、キーマンとして攻撃を牽引しているMF乾貴士は4試合連続先発中。疲労の色が濃くなっており、ベンチスタートとなる可能性もありそうだ。
直近の公式戦4試合でわずか1ゴールと、決定力不足が深刻。11試合ゴールから遠ざかるFWアダム・タガートを始め、攻撃陣の奮起がなければ勝利は見えてこない。鹿島に先制を許すと、鋭いカウンターの脅威にさらされるリスクが高まる。その意味でも先制点は極めて重要。攻撃陣が面目躍如の活躍を示し、先手を取りたいところだ。
J1における鹿島戦は8試合未勝利中(1分7敗)。かつホームゲームに限れば、最後に勝ったのが2010年とすこぶる相性が悪い。今節こそ不名誉な記録に終止符を打てるか。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 王者との激闘で多くの課題が浮き彫りに。今こそ一致団結の時
【プラス材料】
川崎フロンターレに1-2で逆転負けを喫したミッドウィークの前節は、プラス材料とマイナス材料の両面が見えた。
良い面を挙げれば、MFファン・アラーノの復調だ。今季は体調の問題などで出遅れ、復帰後もトップパフォーマンスを発揮できていなかったが、武器のひとつである運動量が戻ってきた印象。川崎F戦で先制ゴールを挙げたのは偶然ではなく、現在が今季で最も良い状態にあるとうかがわせるプレーぶりだった。
昨季王者で今季も首位を走る川崎F相手に、先制点を挙げた後もチャンスを作るなど、互角以上の戦いを見せた点も大きなプラス材料に挙げられる。試合開始から70分までは我慢しながら、点が取れずとも焦らずにタスクをこなし続けた点は自信をもっていい。
【マイナス材料】
マイナス材料は川崎Fとの決定的な差と言えるかも知れない。もともと残り5~10分は力の差が出やすい時間帯と言われるが、まさにその時間帯で2点を献上。勝ち点3どころか、勝ち点1すら手にすることができなかった。
交代のカードなどベンチワークの課題が浮き彫りになっただけでなく、残り15分は足が完全に止まってしまった。暑さなのか、連戦による疲労なのか、もしくは練習メニューの影響なのか。さまざまな理由が考えられるが、フレッシュなはずの途中出場組を含めて、1点を守りきるのか、2点目を取りにいくのか、はっきりしなかったために、限りある体力が底をついてしまったように見える。
鹿島アントラーズの強みは、ピッチ全体で同じ方向を向ける選手が揃っていることだった。しかし、川崎F戦を見てその武器に陰りを感じずにはいられない。
文:totoONE編集部