[写真]=兼子愼一郎
■柏レイソル 攻撃面に良い変化が見られるも、最終局面の精度不足は変わらず
【プラス材料】
前節のガンバ大阪戦は19本のシュートを放ち、数多くの決定機を作った。ネルシーニョ監督はその点を振り返り、「まったくチャンスがないのであれば問題だが、チャンスは作れている」とポジティブな見方をしている。
また、以前ならばビハインドを背負った試合ではチーム全体が攻め急ぎ、ロングボールを放り込むだけの攻撃に終始していたのが、G大阪戦はビルドアップで前進しながら、幅を使った攻撃で相手のゴール前まで攻め入ることができていた。MFマテウス・サヴィオ、途中出場のFW神谷優太といったクリエイティブなアタッカーが攻撃にアクセントを与えており、結果的に1得点しか奪えなかったものの、攻撃の形やボリューム自体はプラスに捉えていいだろう。
【マイナス材料】
手堅く粘り強い守備をベースに3連勝を記録したかと思えば、第29節のサンフレッチェ広島戦は守備のミスで3失点を喫し、G大阪戦では相手にほとんどチャンスを与えていなかったにもかかわらず、セットプレー2発に沈んだ。これで3連勝の後の2連敗。前半戦でも同様に3連勝の後に連敗を喫するなど、柏レイソルは好不調の波が激しく、それゆえ成績が安定しない。
攻撃に関しては、チャンスを数多く作り出したのはポジティブな要素だが、シュートやラストパスの精度不足は依然として大きな課題だ。しかも、電撃的に退団したFWペドロ・ハウルに加えて、G大阪戦ではFW瀬川祐輔が筋肉系の故障をきたして今節は欠場濃厚。得点力不足に苦しむうえ、FW陣の選手層にも不安が残る。
文:鈴木潤
■ベガルタ仙台 スタジアムとの相性も良いエースは再び勝利をもたらせるか
【プラス材料】
苦しい状況が続くが、今節対戦する柏レイソルは今季リーグ戦で初勝利を挙げた相手。第12節で1-0の勝利を収めた良いイメージが残っていることをプラス材料としたい。
また、前回対戦で決勝ゴールを決めたFW西村拓真は、それまでも柏と相性が良かったことも安心材料だ。昨季も『三協フロンテア柏スタジアム』での対戦で得点しており、海外でプレーする前の2018年にも同スタジアムでゴールした経験を持つ。
前節の徳島ヴォルティス戦で戦術的なオプションが増えたこともプラス。左利きのDF福森直也を左サイドバックで起用する形の「4-4-2」を試し、組み合わせの選択肢が増えた。ケガ人や出場停止の選手が出てくる終盤戦では大事なプラス要素だ。
【マイナス材料】
大事な終盤戦で連敗を喫してしまったことがマイナス材料だ。しかも、順位が近い相手との試合を落とした。徳島戦は試合終了目前にCKから決勝点を奪われており、メンタル面でのダメージもかなり大きい。立て直しが求められる。
最終ラインで奮闘してきたDF吉野恭平が、徳島戦での警告により累積で出場停止になったことも不安材料。DFアピアタウィア久とセンターバックで組む選手のコンディションが気になるところだ。
そして、ケガ人の影響もマイナス要素。先に挙げたセンターバックの点についても、DF照山颯人の長期離脱により出場停止をカバーできる人数が減った。FWエマヌエル・オッティも長期離脱が発表されており、選手層が問われている。
文:totoONE編集部