[写真]=J.LEAGUE、兼子愼一郎
■徳島ヴォルティス 調子を上げているFW陣に期待。前回対戦の借りを返せるか
【プラス材料】
前節のベガルタ仙台戦(1○0)、下位の直接対決を制した。7試合ぶりの勝利を挙げ、残留圏にいる16位の湘南ベルマーレとの勝ち点差はわずか「1」まで迫り、15位の清水エスパルスとの勝ち点差も「3」と手の届くところまで来た。勢いだけでなんとかなるほどサッカーは簡単ではないものの、機運が高まっているのは言うまでもない。
また、同試合では9月に合流したFWムシャガ・バケンガが初先発でフル出場を果たした。コンディションはまだまだ万全とは言えないかもしれないが、ケガなくフル出場して決勝弾に直結するプレーも表現できた。チームにとって大きな好材料だろう。
仙台戦翌日に開催されたJエリートリーグの愛媛FC戦(1○0)では、FW垣田裕暉がミドルレンジから美しいゴールを決めている。FW陣全体に良い競争と確かな結果が生まれ始めている。
【マイナス材料】
負傷離脱者が増加傾向にある。ここ数試合に目を向けると、MF杉森考起、FW宮代大聖、MF渡井理己とライン間のプレーを得意とする同タイプの選手がベンチ入りできていない。負傷の度合いや復帰時期は不明ながら、徳島ヴォルティスが得意とする戦い方の核を握る選手たち不在の影響はあるだろう。仙台戦では勝負のカードとしてMF藤原志龍が第22節の清水戦(2△2)以来のベンチ入りを果たしたが、新たにチャンスをつかむ選手のパフォーマンスも重要になりそうだ。
次に、前半戦を振り返ると、第12節のサガン鳥栖戦(0●2)は完敗だった。ボール保持は相応にできた場面もあったが、シュート数はわずか2本と効果的な攻撃に結びつけられなかった。同じ轍を踏まないように良い準備ができるかどうか。
文:totoONE編集部
■サガン鳥栖 前節露呈した課題を修正できるか。指揮官の手腕が問われる一戦に
【プラス材料】
前節のアビスパ福岡戦は無得点で敗れてしまった。何度も相手ゴール前に迫りながら「ゼロで終わったというのは、攻撃の選手からしたら非常に責任を感じる」とFW山下敬大が振り返る。主導権を握っていただけに、得点さえ奪えていればと感じた試合だった。逆に言うと、得点さえ挙げれば勝てる試合はしているのである。
今節の相手は下位に沈む徳島ヴォルティスだけに、しっかりと決めるべきところで決めたい。攻撃のタレントは不足していないだけに、相手に合わせて組み合わせを変えることもできる。再浮上するためにも、とにかく得点にこだわってほしい。狙った形はできているだけに、後は愚直にもやり抜くだけである。徳島は失点が多いので、先制点がターニングポイントになりそうだ。
【マイナス材料】
福岡戦はボール保持が圧倒的に長かったにもかかわらず「情けない試合を見せて、本当に申し訳ない」と振り返った金明輝監督。この黒星で順位も7位に落としてしまった。決めるべきところで決めきれなかったことが敗因と言える。
また、引いた相手はワンチャンスを狙っているが、そこを見事なまでに突かれたことも敗因のひとつに挙げられる。守備で耐えた中でゴールを挙げて勝つのがサガン鳥栖のサッカー。上位に位置できたのは守備によるところが大きいだけに、福岡戦の戦い方では不安が大きい。相手もそれなりに研究してきているであろうから、再度カウンター対策を練る必要がある。
下位との対戦が続くだけに、取りこぼしは許されない。金監督の手腕が問われる試合になるだろう。
文:totoONE編集部