[写真]=兼子愼一郎、清原茂樹
■横浜FC 求めるのは勝ち点3のみ。好調のセットプレーからの得点に期待したい
【プラス材料】
現在1勝1分で2試合負けなし。それも優勝争いをする横浜F・マリノスとのダービーマッチで勝ち点1をつかみ、前節はACL出場権争いを繰り広げる鹿島アントラーズのホームに乗り込んで勝利した。上位陣相手から2試合連続で勝ち点を奪ったことはかなりの明るい材料である。
その鹿島戦ではセットプレーから2得点。キャプテンを務めるMF瀬古樹が直接FKを沈めれば、FWジャーメイン良はCKからゴールネットを揺らした。どうしても押し込まれる時間が長くなる試合が多い中で、ゲームの流れに左右されないセットプレーを得点源にできていることは残り7試合に向けて大きな武器になりそうだ。
今節は勝ち点7差で残留圏内ギリギリの16位に位置する徳島ヴォルティスをホームに迎えての一戦。この6ポイントマッチで勝利できれば一気に逆転残留の可能性が見えてくる。敵地で敗れた借りを返したい。
【マイナス材料】
鹿島戦はなんとか勝ちきったが、2点リードで迎えた後半開始早々に1点を返され、自分たちでゲームを難しくしてしまった側面もある。今回の徳島との直接対決は1点を争うしびれる展開が予想されるだけに、不用意な失点は気をつけたい。第24節のベガルタ仙台戦以来、無失点試合から遠ざかっているだけに、守備の踏ん張りがひとつのキーとなる。
この直接対決に敗れてしまえば勝ち点差は「10」に広がり、残り6試合での逆転は絶望的に。引き分けなら辛うじて可能性は残りそうだが、厳しい状況に大きな変化は生まれない。勝たないといけないゲームではあるものの、ゲーム運びを間違えれば命取りになる可能性がある。そこをチーム全員で声を掛け合い、気をつけたい。
文:totoONE編集部
■徳島ヴォルティス 上位チーム相手に完勝収めたパフォーマンスを継続できるか
【プラス材料】
苦しい6連敗を抜けて引き寄せた2連勝。第30節のベガルタ仙台戦(1○0)は残留を争う相手との直接対決に試合終了間際の劇的決勝弾で勝利、前節のサガン鳥栖戦(3○0)は勢いそのままに上位相手に快勝を収めた。チームはポジティブなマインドに包まれている。
その鳥栖戦ではFW垣田裕暉に4月以来の得点が生まれたかと思えば、1得点ではなく複数得点のおまけつき。また、FWムシャガ・バケンガには待望の加入後初得点が生まれ、これ以上ないトピックスで勝利できた。
また、2戦連続無失点というのも大きい。最終ラインにDF石井秀典が入ったことでゲームコントロール力が増し、DFカカのスピードや強さも効いている。加えて、最終ラインやGKの力だけでなく、中盤の守備強度や意識も高い。
【マイナス材料】
前線にパワーとスピードを兼ね備えたFWを擁するチームに苦戦する傾向にある。FWサウロ・ミネイロのようなFWを封じ込めるのは決して簡単ではない。石井が入ったことでゲームコントロール力は増した反面、フィジカルに特化したタイプのセンターバックではない。こういったミスマッチを組織として、戦い方でどう防いでいくか。
次に、デメリットと呼ぶには贅沢だが重要な要素。鳥栖戦での垣田やバケンガの活躍、途中出場のMF小西雄大やMF藤原志龍の躍動、4試合連続でMF浜下瑛が先発する中、鳥栖戦の翌日に行われたJエリートリーグのガイナーレ鳥取戦(0●1)でMF杉森考起が復帰。新加入のFW一美和成も好調を維持している。ダニエル・ポヤトス監督は勝敗を占ううえでもマネージメントの点でも選択を問われる。贅沢な悩みながら、その選択がカギを握る。
文:totoONE編集部