[写真]=小林渓太、兼子愼一郎
■清水エスパルス 土壇場での監督交代劇は吉と出るか凶と出るか
【プラス材料】
前節のFC東京戦は0-4で完敗し、3試合連続無得点での3連敗という結果を受けて、4日に監督交代が発表された。後任は昨季も11月から指揮を執ってチームを残留に導いた平岡宏章監督で、昨年は就任直後のヴィッセル神戸戦で3-1の勝利に導いている。非常に熱いハートを持つ指導者で、選手の気持ちに火をつけることにも長けており、チームのムードが一気に変わる可能性がある。
また、FC東京戦の後半は選手を2人交代して攻撃のギアが上がり、シュートは前半3本だったのが後半は7本に増加。8試合ぶりに出場したMF中村慶太がボールによく絡んでリズムを生み、久しぶりに合流したJFA・Jリーグ特別指定選手のDF山原怜音はポストを叩く強烈なボレーシュートを見せた。彼らのように交代選手が流れを変えることができれば、勝ちきる力の向上につながるだろう。
【マイナス材料】
前節までの3連敗で順位は16位に下がり、17位の徳島ヴォルティスとは勝ち点2差、18位の大分トリニータとは勝ち点4差と本格的に尻に火がついてきた。今後は北海道コンサドーレ札幌、サンフレッチェ広島、浦和レッズ、セレッソ大阪と難敵との対戦が続く中での監督交代は大きな博打でもある。昨季はそれが成功したものの、今季も成功するという保証はなく、特に得点力不足という課題をどれだけ改善できるかは本当に始まってみなければ分からない。
また、FC東京戦の試合直前にはFWカルリーニョス・ジュニオが負傷離脱し、MFベンジャミン・コロリも68分に負傷交代。その後の状況は不明だが、2人とも出場できなくなればかなり痛い。
さらに、FC東京戦ではセットプレーから3失点した。そこは以前からチームの課題になっているが、札幌は優秀なキッカーがいてセットプレーが強いチームなので、中2日でどれだけ改善できるかが注目される。
文:totoONE編集部
■北海道コンサドーレ札幌 若手の抜擢&競争激化によるチーム力アップに期待
【プラス材料】
やはり前節の湘南ベルマーレ戦の結果をもってJ1残留を確定させられたことは大きい。それ以前の段階で残留はほぼ手中に収めていた状況だったが、ひとつのハードルを超えたという意味では間違いなくポジティブな要素である。
指揮官は残りの試合では来季以降を見据えて若手選手などを積極的に抜擢することを示唆しているため、ここに関連してポジション争いが過熱し、リーグ戦最終盤にきてチーム力をアップする場面とも言える。
ここ最近はリベロで起用されているMF高嶺朋樹も着実に対人守備のスキルを高めている印象があり、そうしたところからも、若手選手の思いきった起用は目に見える成長につながる。まずはポジティブな空気になることがチームにとっての大きなプラス材料だろう。
【マイナス材料】
最終盤にきて再び負傷離脱者が重なっている。MF宮澤裕樹、MFルーカス・フェルナンデスの離脱に続き、FWドウグラス・オリヴェイラの負傷離脱が3日に発表された。もちろん戦力ダウンすることになるのだが、もともと大所帯ではなくギリギリの人数でやりくりをして戦ってきたチームだけに、ここにきて負傷者が重なることはやはり痛い。宮澤とL・フェルナンデスはチームの軸で、D・オリヴェイラは途中出場でアグレッシブかつ献身的に走り回ることで存在感を示していたストライカー。戦線離脱はやはり痛い。
そして、ここ最近は再び得点力不足が顔をのぞかせてきている。なんとか改善したいところではあるが、湘南戦と第33節のアビスパ福岡戦はチャンスの数も減ってしまっており、長いシーズンの疲労が溜まってきているようにも感じてしまう。決して厚くない選手層で戦い続けてきたため、疲労は他のチームよりも蓄積している可能性がある。
文:totoONE編集部