[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■サガン鳥栖 守備の安定を取り戻すも、攻撃面ではいまだ光明を見出せず
【プラス材料】
前節は最下位の横浜FCとスコアレスドロー。カウンターでゴールを狙ってくる相手を無得点に抑えたことは評価できる。
特にセンターバックにDF田代雅也を起用して抑え込んだのは評価したい。DFエドゥアルドやDFファン・ソッコとは違うコントロールで、5試合ぶりの無失点をもたらしている。また、セットプレーから高さを生かしてシュートを放つなど、持ち味を出すことができていた。
今節はリーグ最多得点の川崎フロンターレが相手なので、真価が問われる試合となる。若い選手が多くピッチに入るだけに、密にコミュニケーションが取れることは心強い。川崎Fは34試合で1敗しかしていないため、無失点に抑えてひと泡吹かせたい。
【マイナス材料】
守備面では無失点に抑えたものの、6試合勝利から遠ざかっている。その最大の元凶は得点力不足だ。横浜FC戦でも惜しいシーンは幾度となく迎えたが、フィニッシュまでが遠かった。
勝利から遠ざかっている6試合での得点はわずか1ゴールのみで、これでは勝ち点の上積みは望めない。しっかり耐えて、少ないチャンスを決めるサガン鳥栖のサッカーができていないようだ。金明輝監督は「攻撃の迫力を欠いていたし、最後の質を上げていかないと得点には至らない」と試合後に振り返った。練習から修正を図っているようだが、結果が伴わない試合が続いている。攻撃陣だけの問題ではないものの、引いた相手を崩しながらも決めきれないのは痛い。
今節はリーグで失点が最も少ない川崎Fが相手。決めるべきところで決めないと、勝利はますます遠くなる。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ 優勝決定直後の試合でも今までどおりの集中力を保てるか
【プラス材料】
前節の浦和レッズ戦の結果、2年連続で4試合を残してのJ1制覇を決めた。これで5年間で4度目のリーグ優勝を達成。2019年のJリーグYBCルヴァンカップと2020年の天皇杯を含めると、これで通算タイトル数は6つ。驚異的なペースでタイトルを獲得している常勝クラブとなった。
すでに優勝が決まっているため、残り4試合はいわゆる消化試合という見方も出てくるだろう。だが、今季はまだ天皇杯を残しており、そこに向けて良いチーム状態で臨む必要がある。何より、ここまで一戦必勝で戦い続けてきたチームである。今季はいまだ1敗。連勝こそ「7」でストップしたが、勝ち点をさらに積み上げていく作業に抜かりはないはずだ。
優勝翌日には日本代表にDF谷口彰悟とDF山根視来、FW旗手怜央が選出されるニュースもあった。優勝チームとしての確かな力を見せる一戦としたい。
【マイナス材料】
中3日で臨むアウェイゲームとなる。
これまでの連戦と違うのは、優勝から中3日でのゲームということだ。これまでは勝ちながらも、しっかり気持ちを切り替えて戦ってきたとはいえ、優勝直後ではチームの達成感もあるだろう。フィジカル的なコンディションだけでなく、メンタル的にもどれだけゲームに集中できるか。鬼木達監督のマネジメント力が試される一戦とも言えそうだ。
チームの課題に目を向けると、天皇杯準々決勝の鹿島アントラーズ戦と浦和戦、直近の公式戦は2試合とも試合終了直前に失点傾向が生まれているのは改善すべき点だ。必要なのは、やはり追加点。相手を受けて守りきるのではなく、さらに畳みかけていく攻撃的な姿勢を貫きたい。
文:いしかわごう