[写真]=兼子愼一郎、清原茂樹
■大分トリニータ プレッシャーを跳ね除け、自分たちのスタイルを貫き通せるか
【プラス材料】
前節のアビスパ福岡戦に0-1で敗れて痛い黒星を喫したが、残留を争うライバルたちが揃って勝ち点3を積み上げることができなかったため、残留の望みはまだ消えていない。堅守を誇る福岡を相手に1点が遠かったものの、決定機を何度も作れていたし、試合内容は決して悲観するほどのものではなかった。
福岡戦は質の高い外国籍選手にワンチャンスを決められた形だが、守備に大きな綻びはなく、安定感がある。1点を追う展開となってからは4バックにシステムを変更し、攻撃的な戦い方になった中で追加点を奪われなかったのは好材料だ。
【マイナス材料】
福岡戦ではMF小林成豪が第30節の名古屋グランパス戦以来、約1カ月ぶりに復帰したが、チームトップスコアラーのMF町田也真人がベンチ外だったのは不安材料である。コンディションを重視する片野坂知宏監督にとって、今季最後の中3日での連戦。ホームで戦えるとはいえ、長いシーズンの疲労蓄積が心配なはずだ。
残り試合が少なくなり、思ったように勝ち点差を縮めることができない。周囲のプレッシャーは日増しに強まり、福岡戦では負けられない恐怖心からリスクを冒したプレーよりも慎重なプレーが散見された。試合終了間際には焦りからボールを放り込むプレーが多くなったのも気がかりである。
文:totoONE編集部
■ガンバ大阪 中3日のアウェイ連戦も問題なし。攻撃の回数増が勝利へのカギに
【プラス材料】
サガン鳥栖と横浜F・マリノスに1-0で連勝し、勝ち点「40」とした。勝ち点的にはいまだ残留争いを抜けたとは言えない状況にあるものの、降格圏である17位との勝ち点差は「10」に。今節の大分トリニータ戦に勝利すれば、残り3試合を待たずに残留を確定できる。
中3日でのアウェイ2連戦と厳しい戦いになるとはいえ、今季は怒涛のリーグ戦16連戦を体感した経験からも、チームに大きなダメージはない。何より勝っている流れを継続することに気持ちを集中できている。ここ数試合の戦いと同じく、チームとして攻守に意思統一を図ったうえで試合を進めたい。
横浜FM戦では無失点はもちろん、MF倉田秋に今季初得点が生まれたのも好材料。離脱中のDF昌子源やDF三浦弦太も復帰が近そうだ。
【マイナス材料】
横浜FM戦でDF藤春廣輝が試合中の接触プレーで負傷交代。安定した攻守を示しながら影の貢献を続けてきた左サイドバックの離脱は痛いが、今季はDF黒川圭介も経験を積んでいる。天皇杯準々決勝の浦和レッズ戦でも効果的な攻め上がりから好機を演出していただけに、期待したい。
最近は残留を意識した現実的な戦いを続けているが、守備から攻撃の形を徹底する中で、攻撃にかかる回数が減っているのは心配だ。ここ2試合は上位との対決が続いていたこと、確実に勝ち点を積み上げていくことが最優先と考えれば致し方ないが、「守備だけに追われる展開になってしまうと厳しくなる。もう少しボールを握って押し返す時間を作りたい」と松波正信監督は言う。今節を含め、残り試合はそこをいかに改善するかがカギになりそうだ。
文:totoONE編集部