[写真]=小林渓太、兼子愼一郎
■セレッソ大阪 タイトル逃した悔しさを晴らし、レジェンドの花道を飾れるか
【プラス材料】
今節はホーム最終戦となる。今年7月から稼働している『ヨドコウ桜スタジアム』での勝率は決してよくない(2勝3分4敗)が、それだけに選手たちは有終の美を飾るべく燃えている。
燃える理由は他にもある。ひとつは19日にFW大久保嘉人が現役引退を発表したこと。日本サッカー界のレジェンドの花道を飾るためにも、何としても勝って試合後のセレモニーを笑顔で行いたい。
そして、もうひとつ。今節迎え撃つ名古屋グランパスはJリーグYBCルヴァンカップ決勝で敗れた相手。1カ月前、タイトルを獲得できなかった悔しさを晴らす意味でも、ホームでリベンジを果たしたい。選手・サポーターを含め、誰もがその思いを共有しているはずだ。
チーム状況としては、大黒柱のMF清武弘嗣のコンディションが徐々に良くなっていることが心強い。今年はケガに泣かされた時期もあったが、シーズン最終盤で輝きを放ってくれそうだ。
【マイナス材料】
名古屋とのJ1における通算対戦成績は13勝3分25敗(47得点・72失点)と大きく負け越しており、J1でのここ5試合も1勝4敗と分が悪い。これだけ結果を出せていないのであれば、戦い方に変化を加えるなど対策を講じる必要がある。
そうした中でも、課題はやはり得点力だ。前節、王者の川崎フロンターレに1-4で敗れた後、小菊昭雄監督は「決めきる決定力、そこは個人としてグループとして、突き詰めていきたい」と言及。ここ5試合で4得点と迫力不足の攻撃陣に発破をかけた。
堅守を誇る名古屋に先制を許すと、ルヴァンカップ決勝のように引いて守られて攻撃が手詰まりになる可能性が高い。それだけに、先制点を奪えるかどうかが大きなカギになるはずだ。
文:totoONE編集部
■名古屋グランパス 前回対戦の再現なるか。高い集中力が求められる一戦に
【プラス材料】
十分な休養から入念な準備も仕上げて臨んだ前節のガンバ大阪戦は3得点の快勝劇。ようやく週2回の連戦がなくなり、今節に向けてもしっかりとした戦術練習とフィジカルコントロールをしたうえで戦えるだけに、アウェイでの戦いという部分については大きな問題も感じていないはずだ。
対戦相手のセレッソ大阪はFW大久保嘉人のホーム最終戦ということで意気込む部分も大きいだろうが、彼を“スター”と言ってはばからないFW柿谷曜一朗をはじめ、名古屋グランパスの面々も勝ち点3への意欲は抜群である。
何より、ヴィッセル神戸の結果次第とはいえ、残り試合全勝で3位滑り込みの可能性を残す状況では、C大阪の置かれている状況など構っていられないのが事実。普段以上に必勝の気概をもって戦う90分間に勝利の匂いは漂う。
【マイナス材料】
C大阪とは今季これで4度目の対戦であり、過去の3試合は2勝1敗と一歩リードしている。ただ、直前の対戦はJリーグYBCルヴァンカップの決勝で名古屋が勝利したものの、その3日前の天皇杯準々決勝ではC大阪が勝利しているため、約1カ月で3戦目という流れの中では下馬評はイーブンと言っていい。C大阪がその2試合を踏まえてどのようなメンバーでいかなる戦いを挑んでくるかは未知数なところがあり、警戒心は最大級に引き上げて戦うべき一戦だ。
リスク回避のためには持ち前の堅守に高い集中力を伴わせたいところで、DF中谷進之介やDFキム・ミンテ、GKランゲラックらの統率力には期待したいところ。まずは守備に綻びを生まないところから、希望をつなぐ勝ち点3へと手を伸ばしたい。
文:今井雄一朗