[写真]=鈴木颯太朗、兼子愼一郎
■ヴィッセル神戸 最高の状態で臨む上位決戦。気がかりは司令塔のコンディション
【プラス材料】
今節に勝てば自力での来季ACL出場(3位以内)が確定する。選手たちのモチベーションが高いだけでなく、ここ6試合負けなしの3連勝中とチームにも勢いがある。必然的にプラス材料も多い。
前節の横浜FC戦は開始9分に代表帰りのFW大迫勇也が先制点を挙げる理想的な展開に。31分にはその大迫が獲得したPKのチャンスをMFアンドレス・イニエスタが沈めて2-0で勝利。守備でもJ1残留の瀬戸際にいた横浜FCを無得点に抑えた。
三浦淳寛監督も「1点を取り返されると分からなくなる難しいスコア(2-0)を選手たちはよく理解して戦った」と選手たちを称えた。ケガから復帰したMF山口蛍が2試合連続フル出場を果たし、FW武藤嘉紀も軽快な動きを披露。最高の状態で大一番を迎える。
【マイナス材料】
攻守のバランスが取れた今のヴィッセル神戸にマイナス材料は少ない。不安があるとすれば、A・イニエスタのコンディション面くらいだ。
横浜FC戦で1ゴール・1アシストと活躍したA・イニエスタだが、ピッチに立ったのは前半だけ。リードを2点に広げたことによる御役御免かと思われたが、三浦監督は試合後に「少し足に張りがあると聞き……」と交代が違和感であることを打ち明けた。大事をとっての交代ゆえ問題はないと思われるが、一抹の不安があるのも確かだ。
また、ここ3試合すべて降格圏内のチームとの戦いだった点も懸念材料か。いずれも個の力で優位に立てたものの、今節は別。横浜FC戦では相手のミスに助けられた場面もあったが、横浜F・マリノス戦でミスは許されない。
文:totoONE編集部
■横浜F・マリノス 相性面で優位に立つも、直近のパフォーマンス面に不安あり
【プラス材料】
対戦相手のヴィッセル神戸とはJ1での対決で24勝12分9敗と大きく勝ち越している。さらに試合会場となる『ノエビアスタジアム神戸』とも好相性。これまで6勝8分2敗という戦績を残している。『日産スタジアム』で行われた前回対戦も2-0で完勝を収めており、データ上は得意な相手と言えるだろう。
ここまでリーグトップの79得点を誇る攻撃陣を牽引するのは、21ゴールを挙げて得点ランキングトップを走るFW前田大然だ。第35節のFC東京戦で圧巻のハットトリックを達成しているように、ここへきて得点感覚はさらに磨かれてきている。さらにFWレオ・セアラが前節の浦和レッズ戦で得点を決め、今季10ゴールと2桁に乗せた。チームを勝利に導くストライカーたちの好調は心強い。
【マイナス材料】
直近の4試合を1勝3敗と負け越しているように、最終盤のここへきてチームの調子が下降気味なのは大いに気になるところ。前節は浦和の堅い守備を崩しきれず、2点をリードされる展開で1点を返すにとどまった。ボールポゼッションで主導権を握るためにも、まずは先制点を与えないリスク管理が重要。失点の反省を生かしてセットプレーやカウンターへの備えが欠かせない。
神戸との勝ち点差は「5」と2位争いで有利な状況ではあるが、この一戦を落とすと勝ち点2差で最終節を迎えることになる。しかも、その最終節はリーグ2連覇を達成した川崎フロンターレだ。一気に土俵際に追い込まれることになりかねないため、この一戦に勝利して2位を確定させたいところだ。
文:totoONE編集部