[写真]=清原茂樹、鈴木颯太朗
■ベガルタ仙台 新体制の初陣に手応えあり。上り調子の選手たちに期待したい
【プラス材料】
原崎政人監督が就任後初の試合となった前節のアビスパ福岡戦で一定の手応えを得られたことがプラス要素だ。J2への降格が決まり、監督もこのタイミングで変わったということで、メンタル的には難しい試合だった。だが、そこで一時は逆転しての2-2という結果を出したことはホームに戻って迎える今節に向けて好材料となる。
その福岡戦で、個人として調子を上げた選手が複数出てきたこともプラス。2ゴールを決めたMF氣田亮真を筆頭に、その2点をアシストしたFWフェリペ・カルドーゾ、久々の先発で何度も相手FWを食い止めたDF平岡康裕といった選手たちが最終節も奮闘してくれることに期待したい。
さらに、FW西村拓真が出場停止から戻ってくる。チームトップの6得点を挙げている選手の復帰は心強い。
【マイナス材料】
福岡戦は精神的に立ち直って引き分けたとはいえ、勝利まではいけなかった。2ゴールを奪って2-1で終盤を迎えるも、逃げきりのためのフォーメーション変更が実らず、終盤に同点に追いつかれて試合終了。これにより、11月の戦いを未勝利で終えてしまったことが最大のマイナス材料だ。J2降格のダメージは簡単に癒えるものではないが、来季につなげるためにもホームで勝って自信をつけ、今季を終えたい。
今節の相手である鹿島アントラーズとの相性が悪いことも気がかりだ。2018年の第15節を最後に公式戦での対戦で勝利がなく、今季も第18節で対戦した時は勝利目前の後半アディショナルタイムに失点して、引き分けに終わってしまった。
文:totoONE編集部
■鹿島アントラーズ 目標達成のためにチーム一丸となって戦うことができるか
【プラス材料】
ホーム最終戦となった前節のサガン鳥栖戦に勝利し、4位に浮上して最終節のベガルタ仙台戦を迎えることができた。
優勝もJ2降格も関係ないチームの終盤戦はモチベショーンの維持が最大のカギになるが、この点で鹿島アントラーズには「勝って4位死守」という明確な目標ができた。天皇杯の優勝チーム次第ではあるものの、4位にも来季のACL出場権が回ってくる可能性がある。仙台に勝利すれば自力で4位を守れることから、高い意識で試合に入ることができるはずだ。
ケガ人も少なく、現状のベストな選手たちを起用できる点も大きい。DF関川郁万の充実ぶりもプラス材料に挙げられる。今季無冠は確定しているが、最後に意地の勝利で締めくくりたい。
【マイナス材料】
明確なマイナス材料とは言えないが、火種となりかねないことが鳥栖戦で起きた。
ホーム最終戦のセレモニー時、サポーターへのあいさつに立ったキャプテンのMF三竿健斗が「サッカーの初歩的なことだけを追求しても、タイトルを取り続けられるチームには、僕はなれないと思います」とクラブ、または相馬直樹監督への批判とも受け取れるメッセージを発した。これまで問題が起きたことはあったが、鹿島は自浄できるクラブだった。このメッセージが建設的に受け止められれば全く問題はないが、後に尾を引くような形のまま仙台戦に臨むことになれば、多少なりとも戦況に影響するだろう。
監督や仲間を信じて戦える状況にして、最終節のピッチに向かいたいところだ。
文:totoONE編集部