[写真]=清原茂樹、兼子愼一郎
■柏レイソル シーズンをとおしての課題を克服できるか。先制点の奪取がカギに
【プラス材料】
長らく得点がなかったFWクリスティアーノに、前節の北海道コンサドーレ札幌戦で10試合ぶりの得点が生まれた。最近の試合で2トップ、もしくは1トップに入り、最前線でのプレーを任されていることでクリスティアーノのシュート数は確実に増えた。
1-3で敗れた札幌戦の敗因について、ネルシーニョ監督は「チャンスを決めるか決めないかの差」と評した。決定力不足は相変わらずチームの大きな課題だが、裏を返せばチャンスを作れていることはプラスに捉えられるだろう。
ここ数試合で特に活躍が際立つのが、高い身体能力を生かして攻守に躍動するDF大南拓磨だ。センターバック以外にもサイドバックやウイングバックもこなすユーティリティ性を発揮し、第35節のセレッソ大阪戦では決勝点を挙げるなど、好パフォーマンスを披露している。
【マイナス材料】
2試合連続クリーンシートから一転、札幌戦では3失点の黒星を喫した。スペースを突かれたり、一発のロングボールで背後を取られるなど、堅守を見せたC大阪戦や第36節のアビスパ福岡戦から全く別のチームになってしまったようだ。
今季は調子の波が激しく、結果と内容の伴った試合をして調子を上げたと思った矢先、次の試合では低調な出来に終始するなど、パフォーマンスが安定しない。それは先制点を奪った時と先制を許した時の勝敗にも顕著に表れている。先に得点すれば11勝1分と高い勝率を誇る一方、先制を許した場合は1勝2分20敗とほとんど勝てていない。良いリズムで試合に入っても好機を逸し、相手にワンチャンスを決められることで流れを失い、途端に攻撃も守備もかみ合わなくなる課題を抱えている。
文:鈴木潤
■大分トリニータ 内容と結果を両立させ、次のステージへの勢いをつけたい
【プラス材料】
J2降格が決まったものの、リーグ戦終了後には天皇杯の準決勝が控えている。そのため、監督も選手もモチベーションは高い。
前節の横浜FC戦は残留争いのプレッシャーがなくなり、思いきりの良さが攻守において発揮できた。最終節で結果も内容も伴い、天皇杯に向けて弾みをつけたいという思いがチームをまとめている。
チームトップスコアラーのMF町田也真人が絶好調だ。自身初のJ1での2桁得点に向けて意欲は高い。今夏にJ3の鹿児島ユナイテッドFCから加入したMF野嶽惇也は2試合連続先発出場し、来季に向けて手応えを感じている。選手それぞれが置かれている立場は異なるが、来季に向けてアピールの場となっている。
【マイナス材料】
今季はアウェイゲームでの勝利が1つのみ(第2節の横浜FC戦)。移動距離が長く、負担が大きいことは言い訳にならず、苦手意識を持っていれば難しい試合になりそうだ。消化試合であることに変わりはなく、試合の位置づけが難しい。
契約が絡む時期であり、心ここにあらずという選手がいても不思議ではない。練習や試合への取り組みの温度差を一定にしたいところである。
文:totoONE編集部