[写真]=兼子愼一郎、金田慎平
■横浜F・マリノス 勝敗の分かれ目となるポゼッション争いで優位に立てるか
【プラス材料】
前節のヴィッセル神戸戦を2-0で勝利し、今季2位でのフィニッシュを確定させた。これによって、来季のACLは本戦にストレートインできることも決定している。
その神戸戦ではFW前田大然が今季22得点となる先制点を決め、後半には途中出場のFW仲川輝人が今季2点目となるダメ押しゴールを記録した。前田は川崎フロンターレのFWレアンドロ・ダミアンと熾烈な得点王争いを演じており、同じゴール数で直接対決の末に個人タイトルを目指す。上り調子の仲川を始め、ここまで9得点で3年連続2桁得点に王手をかけているFWマルコス・ジュニオールも好調だ。
チーム総得点「81」は川崎Fを1得点上回っている。最終節を勝利で飾るとともに、総得点トップの座も守りたい一戦だ。
【マイナス材料】
2連覇を達成した川崎Fは間違いなく強者だ。今季の開幕戦では新システムを採用して臨んだが、結果は0-2の完敗。さらに昨季の対戦は2試合とも1-3というスコアで敗れており、現在リーグ戦3連敗中と分が悪い。横浜F・マリノスは狙いとするポゼッション争いに敗れて後手を踏んでいるケースが多く、中盤のMF喜田拓也やMF渡辺皓太が互角以上に渡り合えるかが試合のポイントになりそうだ。
また、L・ダミアンのパワーにも警戒が必要だ。DFチアゴ・マルチンスは圧倒的なスプリント能力を武器としているが、いわゆるパワー系のストライカーとの相性はよくない。DF岩田智輝との連係でリーグ屈指のゴールゲッターを封じ、2試合連続となるクリーンシートでシーズンを締めくくりたい。
文:totoONE編集部
■川崎フロンターレ リーグ最少失点の守備に一抹の不安。完封劇で払拭したい
【プラス材料】
1位と2位の直接対決となる最終節だが、勝敗と同じぐらい注目を集めるのがストライカー対決だろう。
前節のガンバ大阪戦で2得点を挙げたFWレアンドロ・ダミアンは、これで今季の得点が「22」に達した。トップだった横浜F・マリノスのFW前田大然と並び、得点ランキングトップで最終節を迎えることになった。今季、L・ダミアンに最多の7アシストを記録しているDF山根視来は「まずはチームの勝利が一番だが、その中でL・ダミアンがいつも良い位置にいる。チームの勝利とL・ダミアンのゴールは直結している」と話す。このホットラインは健在で、今節も得点が期待される。
最終節の直接対決で、どちらのFWがゴールを多く挙げることができるか。そして、自分のゴールでチームを勝利に導くことができるか。大きな注目だ。
【マイナス材料】
37試合を終えての失点数は「27」。これはリーグ最少失点で、年間通じて堅守を維持したことの証明でもある。しかし、直近のリーグ戦では4試合連続で失点しているのが懸念材料だ。G大阪戦は中盤でボールを失ってからのショートカウンターで失点し、そこからリズムを失ってゲームコントロールも難しくなるなど反省点はあった。今後は一発勝負の天皇杯が控えているだけに、こうした失点癖はなくしておきたいところだ。
横浜FMの攻撃陣で気をつけたいのは、やはり前線のスピード。DF谷口彰悟とDF車屋紳太郎のセンターバックコンビを中心とした川崎フロンターレの最終ラインも速さには自信があるはず。速さ勝負でも負けず、最終節は完封といきたいところだ。
文:いしかわごう