[写真]=J.LEAGUE、小林渓太
■サガン鳥栖 勝利のカギは先制点。全員守備&ゲーゲンプレスで主導権を握りたい
【プラス材料】
「一つでも順位を上げる」と、金明輝監督は練習後にヴィッセル神戸戦を見据えた。「7位で終わるか、6位で終わるかは、僕たちにとっては大きな違い」とも続ける。6位にいる浦和レッズの結果次第ではあるが、可能性がある限り挑戦するつもりだ。リーグ戦通算100試合の指揮を執った金監督だけが分かるチーム状態なのだろう。
神戸戦のポイントとして、先制点を挙げた。その先制点で前節の鹿島アントラーズ戦は敗れただけに、ホームで迎える最終節は何としても先制点が欲しい。モチベーションは高いはずだ。
サガン鳥栖史上最長在籍年数を誇るMF高橋義希の現役引退が発表された。チケットも完売しているため、勝利で“ミスターサガン”の花道を飾りたい。相手はACL出場を決めた神戸。“ミスターサガン”の有終の美を飾る相手に不足はない。
【マイナス材料】
開幕当初のメンバーと大きく変わってしまった。しかし、これは選手それぞれが成長した証。DFエドゥアルドも「自分も成長したが、チームも成長した」とシーズンを振り返った。確かに今季は攻撃陣よりも守備陣の健闘が光っている。
先制すると鳥栖らしく全員守備で守ることができたものの、先制されると脆さが垣間見えた。まさに鹿島戦がそれを象徴した試合とも言える。前線からプレスがかかると相手の攻撃の勢いを消すことができるので、試合開始早々からゲーゲンプレスで主導権を握りたい。
MF飯野七聖のコンディションが不安ではあるが、誰が代わりに出てもその役割は変わらない。現役引退を決意した高橋の今季初先発もあり得るだろう。彼の運動量で守備のパワーはより一層増すはずだ。
文:totoONE編集部
■ヴィッセル神戸 最終節を残しての目標達成は吉と出るか凶と出るか
【プラス材料】
前節に他会場の結果を受け、来季のACL出場(3位)が確定した。目標を達成したことで、最終節はどんなメンバー構成でくるか予想しにくい。ただ、チームの完成度は高いと見ていいだろう。
実際、前節の横浜F・マリノス戦後に三浦淳寛監督は「90分をとおし、攻守である程度やりたいことを意識しながらできた。結果は0-2ですが、我々もチャンスはありました」と手応えを口にした。さらに「シーズン最初からACL出場権獲得を目指し、選手たちが最大限の努力をしてくれた。(中略)今シーズン、3位を勝ち取れたことは選手を褒めたいです」と一年をとおしての成長にも触れている。
つまり、最終節は一年の集大成。チームとして勝ち点3を狙いにいくのは間違いないだろう。
【マイナス材料】
0-2で敗れた横浜FM戦後、リーグ戦全試合に出場しているDF酒井高徳は来季のACL出場権獲得を喜んだ。だが、一方で「同じ相手(横浜FM)に2敗したことに力の差を感じています」と悔しさもにじませる。4位にいた名古屋グランパスの敗戦で3位が確定したものの、アジアの頂点に立つにはまだまだ課題があるということだ。
それを全選手が理解していれば問題はない。だが、目標達成で無意識に気の緩みが出る可能性もある。そこはひとつの不安要素だろう。
また、横浜FM戦でイエローカードを受けたMFセルジ・サンペールが累積警告により今節は出場停止。MFアンドレス・イニエスタやDFトーマス・フェルマーレンが大事をとって欠場する可能性も。チームの底上げを狙って若手中心のメンバーでくるなら戦力ダウンは否めない。
文:totoONE編集部