今季から湘南に復帰した永木 [写真]=元川悦子
2022年シーズン開幕に向けて、J1クラブが続々と始動している。その中で10日の始動から早くも1週間を迎えたのが湘南ベルマーレだ。昨季途中に就任した山口智監督の下、今季は「5位」という高い目標を設定。意識レベルを1段階2段階、上げるべく、強度の高いトレーニングを行っている。18日からの鹿児島キャンプではさらに細かい部分まで詰めていくことになるだろう。
その湘南に7シーズンぶりに復帰したのが永木亮太だ。
中央大学時代の2010年、反町康治監督時代に特別指定選手となり、2011年からプロキャリアをスタート。反町監督と曺貴裁監督時代に2度のJ1昇格を経験した男は2016年に移籍した鹿島アントラーズでアジアチャンピオンズリーグ(ACL)、J1、天皇杯と3つのタイトル獲得に貢献した。
しかしながら、2021年はJ1出場数が15と激減。立ち位置も微妙になり、33歳となった彼自身も今後の身の振り方に悩んでいたようだ。
「昨年、出場時間がすごく減って、個人的にもがきました。そのタイミングで湘南からオファーがあった。去年味わった悔しさを鹿島でぶつけたい気持ちもありましたけど、湘南から話をいただいて心が動きました。このチームでもう1回、活躍したいと思い、移籍を決断しました」
13日の新体制発表会で偽らざる本音を口にした永木。熱烈なオファーをくれたのは、2010年から2012年にかけて、ともに中盤を担った坂本紘司スポーツダイレクター(SD)。新人時代に可愛がってくれた恩人の切なる願いに応えたいと彼自身も強く思ったはず。鹿島での高度な経験値を還元できればと考え、古巣に戻ってきたという。
「ACLやクラブワールドカップでやってきた経験、自分より上の選手たちの練習に取り組む姿勢や価値観を自分はこの6年間、鹿島で見てきました。それを今、湘南で伝えていきたいと思っています」
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鹿島ではキャプテンマークも巻いた [写真]=Getty Images
2018年限りで引退した小笠原満男を筆頭に、常勝軍団にはプロ意識の高い日本代表クラスの面々が数多くいた。こうした人々の背中を見て、努力した結果、永木もヴァイッド・ハリルホジッチ監督時代の日本代表に招集された。出場したのは2016年11月のオマーン戦1試合だけだが、本田圭佑や吉田麻也、大迫勇也ら、ヨーロッパで揉まれた選手たちと共闘したのは貴重な経験に他ならない。湘南には谷晃生、畑大雅、田中聡、若月大和といったパリ五輪世代の成長株も多いだけに、永木の存在はいい刺激になるだろう。
とはいえ、33歳のベテランも定位置が約束されているわけではない。今季の中盤を見ると、19歳の田中と平岡太陽、30代の山田直輝、茨田陽生に加え、名古屋グランパスから移籍してきた米本拓司と人材はかなり豊富。相当な激戦区と言っていい。米本も「僕は残りのサッカー人生が少ないと思っているので、チャレンジしたい気持ちがすごく強くなった。山口監督の下でもう一度、新しいサッカーがしたい」と危機感と貪欲さを前面に押し出していただけに、永木も負けてはいられない。
コンスタントにピッチに立ち続けるためにも、勝利をダイレクトに引き寄せる役割がより求められてくる。得意のリスタートでもいいし、ミドルシュートでもいいから、チームを勝たせる仕事ができる人材であることを山口監督に示すことが肝心だ。
実際、昨季の湘南は勝ち切れない試合が多く、それで最後の最後まで残留争いに巻き込まれている。そこから脱しない限り、上位躍進はないからだ。
「昨季のデータ的な振り返りをしましたが、7勝16分15敗ととにかく引き分けが多い。紙一重の試合を勝ち切るのはすごく大きなところ。昨季は0-0が8試合、1-1が8試合もあったので、そこを勝てたら中位と同等のところまで行ける。目指すべきは勝ち点55、総得点45から55、1試合1失点というのをベースに考えていきます」と指揮官も語気を強めていた。
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湘南の山口監督 [写真]=元川悦子
坂本SDも「マインドチェンジの必要性」を力説する。それは永木自身にも求められること。鹿島で宙ぶらりんの存在から脱し、まだまだJ1で輝き続けられることをしっかりと示すこと。それができれば、自ずと「湘南躍進の立役者」になれるに違いない。
今季の湘南のスローガンは「ビリーブ」。文字通り、信じるという意味だ。
「やってきたことを信じる。そこから結果を残せる。そういう覚悟を持たないといけない。勝利に貪欲になる、これまでとは違った湘南を見せたい」と指揮官は目をぎらつかせたが、湘南スタイルを知り尽くす永木はその体現者として眩い輝きを放つしかない。百戦錬磨のボランチの新たななるスタートが、最高の結果をもたらすことを祈りたい。
取材・文=元川悦子
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By 元川悦子