FOLLOW US

5年周期に終止符! 福岡、史上最強シーズンから“J1定着”へ進化を遂げるか

2022.02.15

[写真]=avispa fukuoka

 昨シーズンはクラブの歴史を次々と塗り替える史上最強のシーズンだった。4~5月にかけて重ねたJ1連勝記録は、クラブ史上最高の6連勝。10月にはリーグ戦6試合を残してJ1残留を決め、2001年から5年周期でJ1昇格と1年でのJ2降格を繰り返してきた“5年周期”に終止符を打った。そしてJ1最高順位の8位でシーズンを締めくくり、終わってみれば年間目標に掲げていた「勝ち点50」を上回る「勝ち点54」を積み上げた。

 しかしながら、すべてが順風満帆だった訳ではない。開幕戦では名古屋のスピードとテクニックに屈し、多くの選手が「J1とJ2はまったく違う」と口にしてJ1の洗礼を受けた。5月から7月にかけては複数失点が重なり5連敗も喫した。そうしたネガティブな要素にも真摯に向き合い、現状と課題を分析し、それを乗り越えてきた結果として年間順位や勝ち点を手にした自信が、昨シーズンにおける大きな収穫だったと言えるだろう。

その積み上げてきた戦術を継続できる点が、今シーズンの大きなアドバンテージだ。昨シーズンのリーグ戦全試合に出場した前寛之を中心に、GKを含めた11人が連動する組織的なボール奪取が戦術の中枢。昨シーズンの失点数が1試合平均1失点を下回ったことは大きな成果だ。主力選手のほとんどが福岡に残り、守備の要として24試合に出場した奈良竜樹も期限付きから完全移籍で福岡に残ったことで、堅守においては今シーズンも高水準のパフォーマンスが期待できるだろう。

一方で右サイドからのハイクオリティーなクロスで好機を生み、チーム最多6アシストを記録したエミル・サロモンソンがチームを離れた穴は大きい。長谷部茂利監督は「左右(サイド)からアシストできるようにしたい」と、サロモンソンの穴を両サイドでカバーするイメージを明かしたが、それを形にできるかは未知数な部分。攻撃までイメージした組織的なボール奪取ができるかが課題となるだろう。

 新加入選手は5人と昨年に比べて半減。昨シーズンJ2得点王のルキアンが磐田から加入したことで、FWの競争は激化する。パワー系のフアンマ・デルガド、センス抜群の山岸祐也らタイプの異なるFWが6名在籍し、ボックス内は充実。どれだけ多く、正確に、タイミング良くラストパスを供給できるかがテーマになる。

 昨シーズンを上回るJ1リーグ8位以上、カップ戦でベスト4を目標に掲げ、J1で2年目のシーズンを迎える。クラブとしては“J1定着”への足掛かりをつかみたいはずだ。

【KEY PLAYER】14 ジョルディ・クルークス

[写真]=新甫條利子

 スピードのキレが増し、弾丸の如くサイドを切り裂いて好調ぶりをアピールしているのが、MFジェルディ・クルークスだ。昨シーズンは新型コロナウイルス感染拡大の影響で合流が約3カ月遅れ、スターティングメンバ―定着は叶わなかったが、それでもリーグ戦では4ゴール2アシストの活躍。シーズン後半には鳥肌が立つほどのゴラッソやクロスで何度もスタジアムを熱狂させた。エミル・サロモンソンが抜けた分、今年はクルークスのクロスやシュートを昨シーズン以上にチームの武器にしなければならない。

 オフシーズンはベルギーに帰国し、長谷部サッカーに必要不可欠な『走力』をパーソナルトレーナーと磨いてきた。さらに昨年までは単身で来日したが、家族が共に来日できたことも好調理由の一つと話す。「昨年は日本のサッカーを理解して、自分のシュートやクロスが通用することを感じることができた。昨シーズン以上の数字を目標に、8~9ゴールと6~7アシストを記録してチームに貢献したい」とクルークス。金森健志らとのポジション争いはし烈だが、今シーズンさらに存在感を増すことは間違いない。

写真・文=新甫條利子

2022明治安田生命J1リーグ開幕戦
アビスパ福岡 vs ジュビロ磐田(ベスト電器スタジアム)
2022年2月19日(土)14時キックオフ
DAZNにて独占ライブ配信

【PR】 WINNERでJリーグをさらに面白く!

WINNER J.LEAGUE 2024

サッカーキング編集部が注目カードを大予想! アナタはどんな試合結果を予想する?

堅実さ重視、大穴狙い、推しクラブ一択……1試合予想くじWINNERでJリーグの熱い戦いがもっと楽しくなる!

  1. 推しのクラブ、予想しやすいゲームなど“1試合”から予想・購入できる!
  2. インターネット決済なら試合開始10分前まで購入可能!
  3. くじの売上の一部はアナタが応援するクラブにも還元される!

By 新甫條利子

大学卒業後、雑誌編集者を経て2005年よりフリーランスとして活動中。九州を拠点にサッカーほか、陸上など幅広く取材。1児の母としても奮闘中。

SHARE

SOCCERKING VIDEO