[写真]=鈴木颯太朗、小林渓太
■サンフレッチェ広島
【プラス材料】
ミヒャエル・スキッベ監督が示した方向性は「ボール主体にプレーする」。ボール奪取を主眼に置く「攻撃的守備」は強度が高く、相手陣内でのプレー時間も練習試合を見る限りでは長くなっている。「ボールロストから1~2秒で奪い返して素早くゴールに向かう」(スキッベ監督)ためのハードワークは、キャンプを通じてチームにかなり浸透してきた。
スコアが公開されたJクラブとの練習試合では4試合で18得点。攻撃の破壊力は間違いなく向上している。
【マイナス材料】
外国人の新規入国が事実上禁じられた新型コロナウイルス対策で、スキッベ監督の来日はいまだ実現していない。
コーチたちとの綿密なコミュニケーションによって概念の徹底は進んでいるが、戦術的な調整やバランス感覚、選手たちとの関係性の構築など、細かな部分はどうしても難しい状況にある。実際、攻撃的守備と現実との間にギャップが生じ、練習試合では毎試合、失点を重ねてしまった。
開幕戦も指揮官不在は確実で、試合運びを進めるうえでのベンチワークも大きなカギとなる。
文:紫熊倶楽部 中野和也
■サガン鳥栖
【プラス材料】
昨季の主力選手の多くがチームを離れた。戦力ダウンを指摘する声もあるが、新加入選手を見る限り、そんな危惧は不要だろう。練習試合では得点も確実に奪っており、川井健太新監督はこれまでの戦い方をベースにしているようだ。
7年ぶりに復帰したMF藤田直之がキャプテンを務めることになったのも心強い。「新しい選手が新しい色を出していければいい」と手応えは感じている。
未知数な部分が多いだけに、相手にとっては読みにくいチームと言える。
【マイナス材料】
キャンプ中にセンターバックが移籍するという予期せぬ事態が起きた。チーム事情とはいえ、シーズンに向けて不安を残す。新加入のDF孫大河の抜擢もあり得るだろう。GK朴一圭は実績と経験があるので、守備に関しては手探りで進めるしかない。
開幕戦のサンフレッチェ広島は新監督を迎えており、どんな戦い方を仕掛けてくるか分からない。そのため、守備にかかる重圧は大きい。攻撃陣はある程度揃っているだけに、守備陣には一層の奮起が必要だ。
文:totoONE編集部