7月30日、埼玉スタジアムで「炎日」が開催される [写真]=浦和レッズ
7月30日(土)の明治安田生命J1リーグ第23節で、浦和レッズは昨季のJ1王者・川崎フロンターレを埼玉スタジアムに迎える。
7月の6試合を「HEAT UP 7 ~7月は浦和で熱くなれ~」と題してさまざまな盛り上げ施策を実施してきた浦和は、そのFINALとなる川崎戦で縁日ならぬ「炎(えん)日」を開催予定。埼スタ調節池にやぐらが登場するほか、北浦和阿呆連による阿波踊りの実演や「炎日キッチンカー」の出店など、夏祭り気分を味わえるさまざまな企画を準備している。
試合当日の企画や発信を担当する浦和レッズの新井勇規さん、多比良優佑さんにイベントの概要や開催への思いについて話を聞いた。
■その時々の空気感やチーム状況を大事に
―川崎戦で縁日ならぬ「炎日」を開催するそうですが、どのような思いから今回のイベントを企画されたのでしょうか?
新井 この2年間は世の中の多くのイベント、町内会のお祭りなどが軒並み中止になりました。そういう状況下で、浦和レッズがお祭りを提供することで、久しぶりに楽しんでもらえたらというのがスタートでした。会場がスタジアム隣の調節池広場なので、試合に見に来られた方だけでなく、地域の方々もそこでご飯を食べてもらったり、お祭りの雰囲気を楽しんでもらったりする。そんな空間を作れたらという思いを込めて、「炎日」というタイトルにしました。
―「近所でお祭りをやっているから、ちょっと行ってみようか」という感覚で来てほしいということですね。
新井 埼スタの周辺にも家が増えてきているので、そこで暮らす方々が来てくれたらいいなと思っています。そして、それが将来のファン・サポーターへとつながってくれたらという思いもあります。
―今回のイベントには「来る・誘う・目に留まるきっかけづくりを」というテーマがあったと伺っています。いつ頃から企画し、どのように準備してきたのでしょうか?
新井 年間を通して「この時期にこういう企画をやろう」という大枠の部分は、シーズン開幕前から計画していました。ただ、今回の企画が具体的に決まって準備がスタートしたのは5月くらいだったと思います。
多比良 クラブによっては、もっと早い段階で内容を固めるのかもしれませんが、我々はその時々の空気感やチーム状況を大事にしているので、企画が直前で決まるということも珍しくないんです。川崎戦に向けビジュアルのパターンには、PSG戦での負傷は心配ですが、今月に加入したばかりの(ブライアン)リンセン選手も「川崎戦に向かう上で欠かせない要素」ということで急遽、準備しました。4~5月くらいまではなかなかチームが勝てない時期が続きましたが、今のチーム状況だからこそ表現できる温度感みたいなものがあると思いますし、それを落とし込むことができたのも直前に決めているからこそですね。
―来場者全員にJ1通算1500ゴールの記念ステッカーが配布されますが、ダヴィド モーベルグ選手が記録を達成したのも7月に入ってからでした。
多比良 1500ゴールについては、いつ決まるかとドキドキしていましたが、結果的に多くの来場者が見込める川崎戦に向けてちょうどいいタイミングでの達成になりました。早すぎても、遅すぎても、この試合に当てることはできなかったので、そういう意味では「持っているな」と感じました(笑)。
■“縁日”の雰囲気づくりにかなり力を入れた
―今回のようにスタジアムの開門前からイベントが盛りだくさんだと、大勢で来て、そこで半日楽しむことができそうです。
新井 メインコンテンツはあくまでも試合ですが、それ以外でも楽しみを提供したいと思っています。スタジアムグルメも味わってほしいですし、阿波踊りの実演などの場をつくることで、苦労してきたエンタメ業界の助けにもなります。メインは試合でありつつも、スタジアムに行くきっかけづくりの観点から、例えば近隣の小学校にはチラシを配りました。そのチラシを家に持って帰った子どもたちに、「縁日みたいなものがあるみたい。パパ行きたいよ」と言われたら、親御さんも「サッカーを見に行こう」と言われるよりも、「行ってみようかな」という気持ちになるのではないかと。もし浦和レッズに興味がなくても、そこに来れば楽しい思い出ができるような空間をつくる。そのうえで試合も見ていただいて、浦和レッズに興味を持ってもらうということができればと思っています。
―当日はYouTubeチャンネル「サンサンキッズTV」の人気キャラクター『サンサン』や、うまい棒のキャラクター『うまえもん』も登場予定です。これも子どもたちを意識したものですね。
新井 夏休みに入って最初のホームゲームであること、それとACL出場の関係でこの夏の土・日のホームゲームが川崎戦で最後だということ。そうした理由から、「大人も子どもも一緒に来て楽しんでほしい」というコンセプトの下、夏休みを過ごす子どもたちが楽しめるイベントをやろうということになりました。もちろん、子どもたちだけがターゲットではなく、今後もその時々で狙いを決めて、いろいろな方に来てもらえるイベントを実施できればと思っています。
―担当者としてのイチ押しは何でしょうか?
新井 「やぐらを建てる」ところですね。見た目にもインパクトがあると思いますし、浦和レッズとしては初めての試みです。地域のお祭り感覚で来てもらえたらうれしいです。提灯もいっぱい並びますし、“縁日”の雰囲気をつくるという部分にはかなり力を入れました。キッチンカーもお祭りらしいメニューを中心に準備しています。また、以前は南広場で開催されていた「森酒場」を、今回は「炎日」エリアで行います。これは浦和レッズの初代監督・森孝慈さんの命日付近に開催されていた恒例イベントなので、昔からのサポーターの方にも喜んでもらえるのではないかと思います。2019年以来、3年ぶりの復活です。
多比良 コロナ禍で、なかなか大きな声で「みんな来てね」と言えない状況が続いたのは、クラブとしてもすごく心苦しいものでした。でも、「ここに気をつければ、楽しんでもいいんじゃないか?」ということが少しずつ分かってきた中で、今回はやぐらを建てて、子どもたちにも楽しんでもらえるイベントにしました。そういう場が少しずつ戻ってきたかなと感じています。今後もいろいろなイベントをやってみたいです。
編集部では実際に川崎戦に足を運んで「炎日」の模様を取材予定。気になった人は、お祭りを楽しむ気持ちで足を運んでみては?当日のイベントの様子なども後日掲載予定です。
By サッカーキング編集部
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