名古屋と湘南の一戦はドローで終了
明治安田生命J1リーグ第9節が23日に行われ、名古屋グランパスと湘南ベルマーレが対戦した。
前節終了時点で2位につけている名古屋は今季序盤から好調をキープ。失点数「3」はリーグ最少の数字で、強固な守備をベースにここまで安定して勝ち点を積み上げている。一方の湘南は今季より主体的にボールを握るサッカーに取り組んでおり、前節終了時点でゴール数は「16」とリーグ2位の得点力を誇っている。現在5戦負けなしの名古屋と3戦負けなしの湘南が名古屋の本拠地『豊田スタジアム』で激突した。
名古屋は前節と同じ11名がスターティングメンバーに並び、藤井陽也、稲垣祥、マテウス・カストロらが先発出場を飾った。一方の湘南は前節から2名を変更し、シーズン開幕後にガンバ大阪から期限付き移籍加入した奥野耕平がリーグ初先発。小野瀬康介もスタメン入りしていたものの、アップ中のアクシデントにより、阿部浩之が急遽先発に入っている。
試合は立ち上がりから拮抗した展開に。最初に決定機を作ったのは名古屋。27分、キャスパー・ユンカーがボールを収めて右サイドへ展開すると、強引な縦突破からマイナスへ折り返す。走り込んできた永井謙佑がダイレクトで合わせたものの、ここは飛び出してきたGKソン・ボムグンに阻まれた。
対する湘南は27分、右サイド開いた位置でボールを持った石原広教が中央へ繋ぐと、タリクがニアサイドでスルー。相手に当たってスペースへこぼれたボールを阿部が狙っており、右足のダイレクトシュートでゴールネットを揺らしたが、ここはオフサイドと判定されて得点は認められなかった。
均衡が破れたのは41分。自陣でのボール奪取から素早く右のスペースへボールを渡すと、抜け出したユンカーが味方の上がりを待って横へ繋ぐ。ペナルティエリア手前左の位置で前を向いた永井が右足でクロスボールを送ると、反応したユンカーがヘディングシュートを狙った。ここはGKソン・ボムグンに阻まれたものの、こぼれ球を狙っていたユンカーが粘ってマイナス方向へ繋ぎ、最後は森下龍矢が右足で押し込む。名古屋が先手を取ってハーフタイムに突入した。
後半に入ると立ち上がりの50分、名古屋は右コーナーキックを獲得。キッカーを務めたマテウスはショートコーナーを使い、タイミングをずらして左足でクロスボールを送ると、ファーサイドに走り込んだ稲垣が折り返す。最後は中谷進之介が頭で沈め、名古屋が勝利を手繰り寄せる追加点を決めてみせた。
2点ビハインドとなった湘南は直後の56分、後半頭からピッチに立った畑大雅が左サイドでボールを受け、縦への仕掛けから中央へクロスボールを送る。このボールは跳ね返されたものの、こぼれ球を奥野が頭で繋ぐ。町野修斗を経由してペナルティエリア右の山田直輝にボールが渡ると、切り返しから左足でゴールネットを揺らした。失点からおよそ5分後に湘南が1点を返している。
62分にはスルーパスで抜け出したマテウスの折り返しをユンカーが押し込んだものの、マテウスのポジションがオフサイドと判定され、得点とはならず。74分には左サイドを駆け上がった内田宅哉からの折り返しにマテウスが反応。ペナルティエリア手前の位置で得意の左足に持ち替え、シュートを狙うと、ディフレクションの末にゴールに吸い込まれる。名古屋が再び点差を広げたかに思われたが、直前の湘南の攻撃時、山田が中谷に倒されたシーンがオンフィールドレビュー(OFR)の末にPKと判定され、名古屋の得点は取り消しに。反対に湘南にはPKが与えられ、一気に同点のチャンスを得た。キッカーを務めた“エース”の町野は落ち着いてゴール右へと沈め、湘南が試合を振り出しに戻している。
その後は両チームともに決定的な3点目を奪うためにゴールに迫ったものの、勝敗を決めるゴールは生まれず。試合はこのままタイムアップを迎えた。名古屋は勝てばおよそ4年ぶりに単独でJ1首位に浮上するチャンスだったものの、今季初の複数失点を喫して勝ち切ることができず。それでも6戦負けなし(3勝3分)で2位をキープした。一方の湘南はこれで3試合連続のドロー。2点差を追いついたものの逆転までは持ち込めなかった。
次節は29日に行われ、名古屋は横浜F・マリノスと、湘南はヴィッセル神戸と、それぞれ敵地で対戦する。
【得点者】
1-0 41分 森下龍矢(名古屋グランパス)
2-0 50分 中谷進之介(名古屋グランパス)
2-1 56分 山田直輝(湘南ベルマーレ)
2-2 80分 町野修斗(PK/湘南ベルマーレ)
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By サッカーキング編集部
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