広島から日本代表に招集された川村と大迫 [写真]=J.LEAGUE
背番号8のまっすぐな広島愛が輝かしい。試合終了間際、MF川村拓夢が自陣から圧巻のドリブルでダメ押しのゴールを沈めると、一直線に熱い声援をくれるスタンドへと走り、胸のエンブレムを叩いた。
サンフレッチェ広島は4日、明治安田生命J1リーグ第16節で京都サンガF.C.をホームに迎えて3-1で勝利した。59分にMF茶島雄介のゴールで先制したものの、69分にFW豊川雄太の得点を許して同点とされる。だが、直後の71分に茶島の2点目で勝ち越しに成功。2試合ぶりの勝利を手繰り寄せる。
そして、迎えた後半アディショナルタイム3分、自陣中央でDF山﨑大地とDF住吉ジェラニレショーンが相手選手を挟んでボールをカット。そのこぼれ球を川村がいち早く回収して走り出す。「前を見たらスペースが空いていたので、相手も疲れているのがわかっていたし、時間帯も時間帯だったので思い切って行きました」
そのまま一気に相手選手3人をかわして駆け上がる。その前方にはFWナッシム・べン・カリファと相手DF麻田将吾もいたが、かまわず突破することを選んだ。このとき、オフサイドポジションにいたべン・カリファが麻田をブロックしてプレーに関与した可能性もあったが、のちにVARチェックと主審のオン・フィールド・レビューを経てプレーに関与していないとの判定となった。
大胆に中央を切り裂き、迎えたGKとの一対一。川村は丁寧にコースを見極めて左足を振り抜き、ゴール左隅に流し込んだ。抜け出してからシュートが決まるまでは、昨季のJリーグ最優秀ゴール賞に輝いたロングシュートを見守っていたときのように、ゆっくりと時間が進んだようだった。「GKとの一対一の時間は嫌でしたね。本当に時間が止まっているように感じたので。でも落ち着いて決められたと思います」
そして、ここからがまた川村らしい。自陣から走り出してフィニッシュを決めてもなお足を止める気配すらなかった。そのままの勢いでサポーターのもとへと駆け寄って喜びを爆発させた。
「5月はアウェイでもたくさんのサポーターが来てくれた中で勝利を見せられなかった。監督も言っていましたけど、6月は全部勝とうっていう気持ちだったし、その中でやっぱりサポーターのみなさんとゴールを分かち合いたかったので行きました」
夏の日差しが差すスタジアム。熱い声援を続けるサポーターたちの前で、川村は感極まったように胸のエンブレムを叩いた。連戦で過密日程が続く中でも常に全力を出し切り、この試合も90分以上走り続けて疲れないはずがない。それでも、自陣から懸命に走って得点し、感情むき出しのゴールパフォーマンスを見せた。その一連の流れを見て熱くならないサポーターはいただろうか。
このパフォーマンスについて本人に聞くと、ピッチ上の鬼気迫る表情とは別人のように、「そこの解説はやめてください(笑)。無意識だったし、気持ちもたかぶっていたので」と照れ笑いを見せた。
広島出身でサンフレッチェ広島の下部組織で育ち、愛媛FCでの3年間の武者修行を経て、昨季復帰してついに広島のトップチームでブレイクを果たした。チームの中でも地元クラブへの愛着は人一倍深い。無意識に出たその動作は広島愛あってこそのはずだ。
「パフォーマンスについては、しにくくなるので、あまり触れないでほしいんですけど(笑)」と川村は詳しく話すことはなかったが、それでも言葉を続けて広島サポーターへの思いを口にしてくれた。
「やっぱりサポーターとみんなで勝ち取ったので。同点に追いつかれた後もサポーターの皆さんがたくさんの声援を送ってくれたのが僕たちのパワーになったし、僕のゴールもサポーターのみなさんの声援があって最後まで走れたので、『一緒に取ったよ』っていう意味も込めてサポーターのところに行きました」
川村は6月に試合を行う日本代表に初招集されたが、「まだ意識していない」とあくまでも目の前の試合に集中を向ける。次は7日に行われる天皇杯2回戦のFC徳島戦。「天皇杯は去年悔しい思いをしたので、その悔しさは天皇杯でしか返せない。試合に出られるようにしっかり準備したい」と止まる気配はない。サポーターの声援に応える勝利のために、背番号8はまっすぐ突き進む。
取材・文=湊昂大
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By 湊昂大