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【インタビュー】「勇気とは挑戦の回数」 米田隼也、自身の“モットー体現”で初の月間ベストゴール受賞

2023.06.13

[写真]=J.LEAGUE

 5月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』が発表され、J2はV・ファーレン長崎に所属するMF米田隼也が受賞した。

 受賞したのはJ2第18節 ジュビロ磐田戦の71分に決まったゴール。鍬先祐弥の浮き球パスを受けると華麗なトラップで相手DFをかわし、左足で落ち着いてゴールに流し込んだ。「練習でもここまで綺麗なゴールを決めたことはないので、自分でもビックリしました」というゴールを振り返ってもらった。

取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)

――まずは5月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』受賞おめでとうございます!
米田 受賞できるとは思っていなかったので、とても嬉しいです!

――素晴らしいトラップから左足で決めたゴールを改めて振り返っていただけますか?
米田 自陣から長いボールが入り、収めたエジガル(ジュニオ)の背後にスペースがあることは確認できていました。自分は3人目の動きでクワからパスを貰うイメージができていましたし、良いランニングができたと思います。浮き球のパスが来る間に2回首を振り、スペースと相手の位置を確認できていたことが、このファーストタッチにつながりました。このタッチが全てだったと思います。咄嗟に閃いて、体が本能的に動いたような感覚ですね。ゴール前では “ゾーンに入った”のような状況で、ゴールがすごく大きく見えて、相手DFの動きもスローのように感じました。いつも監督から「シュートは枠内にパスするようなイメージで」と言われていたので、それが実践できたと思います。

――相手の逆を突いた見事なトラップでした。遊び心あるプレーは得意ですか?
米田 静学(静岡学園)出身なので、リフティングはめちゃくちゃやりましたね(笑)。技術的な部分に自信はあります。ただ、練習でもここまで綺麗なゴールを決めたことはないので、自分でもビックリしました。

――プロサッカー選手として勝敗だけではなく、エンターテイメント性も重要だと思っているそうですが、まさにそれを体現したプレーでした。
米田 『勇気とは挑戦の回数』という、自分の中でのテーマを持ってピッチに立っています。今回のファーストタッチは、まさにそういったプレーだったと思います。勇気を持ってチャレンジした結果がゴールにつながったと思うので、すごく良かったです。

――今季は左右のサイドバック、中盤2列目とフル稼働です。試合中にポジションが変化することも多いですが、その難しさや面白さをどう感じていますか?
米田 以前までは頭を切り替える部分での難しさを感じていましたが、今は全くありません。サイドバックでは対人守備でボールを奪えたら嬉しいですし、2列目ではゴールやアシスト、よりリスクのあるドリブルができる。左右を問わず、どのポジションで出場しても楽しめています。

――個人的に米田選手は後半に強いイメージがあります。
米田 強いですね。毎年、後半アディショナルタイムに決めていて、自分でも持っているなと思います(笑)。技術以上にメンタル的な部分が、その活躍につながっていると思います。

――昨季の後半戦は苦しい時期もありましたが、自分のプレーでチームを引っ張ろうとする姿に感銘を受けました。そういった気持ちの強さは以前からあったのでしょうか?
米田 いえ、自分では昨季から生まれ変わったと思っています。先ほど話した『勇気とは挑戦の回数』という自分の中でのテーマを決め、試合前のルーティンを作り、細かく目標設定をするようにしました。一定のパフォーマンスを出し続けることができているのは、メンタル面が整っているからだと思っています

――今季からキャプテンに就任しました。プレーで引っ張るタイプ、言葉で引っ張るタイプ、どちらでしょうか?
米田 プレーの方が重要だと思っていたのですが、言葉もすごく大事だと気づきました。試合前のミーティングや試合中の声掛けはすごく意識してやっています。YouTubeでいろいろなスピーチを聞いたりもしています。ワールドカップの際の、吉田麻也選手の言葉はすごく参考になりました。キャプテンに就任して「いろいろなことをやらないといけない」と思う時期もありましたが、今はあまり深く考え過ぎずに勝つことだけにこだわっています。行動でも言葉でもやり続けることを意識して、それが良い形でプレーにも影響していると思っています。

――昨季から長崎を率いるファビオ カリーレ監督はどんな方なのでしょうか?
米田 すごく規律があって細かくて、自分が抱いていたブラジル人監督のイメージとは違いました。人としてすごく器が大きい方です。磐田戦前のミーティングでは『勝利への第一歩は諦めないこと』という話をしてくれました。その言葉があって、選手全員がそれをピッチで体現できたからこその勝利だったと思います。

――まもなくシーズン前半戦が終了します。J1昇格のため、後半戦のポイントを教えてください。
米田 結局、得点を決めないと勝つことはできません。いろいろな戦術やチームのスタイルがありますけど、勝てるチームが一番ですし、それが今季のFC町田ゼルビアだと思います。守備も攻撃も質を高めて、もっともっと勝ちたいですね。

――そのためには米田選手の得点力も重要になってくると思います。
米田 得点への意欲はめちゃくちゃあります! 山口戦では2試合連続得点を狙っていたので、決められずすごく悔しかったです。

――今季4得点を決めている櫛引一紀選手がSNSで「DFWの称号米田選手に譲ります」と言っていましたね(笑)。
米田 得点数で櫛くんは超えます!

――来季は新スタジアムも完成します。J1昇格を目指す大きなモチベーションになっていると思います。
米田 ロッカールームや入場時のイメージを見ましたけど、レベルが違いましたね。満員のスタジアムでプレーして、いつかJ1優勝のタイトルをもたらしたいと思います!

――では、最後のファン・サポーターにメッセージをお願いいたします。
米田 J2優勝・J1昇格をさせる覚悟があります。そのために頑張り続けますし、ファン・サポーターの皆さんのためにプレーするので、これからも熱い応援をよろしくお願いいたします!

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By 三島大輔

サッカーキング編集部

サッカーキング編集部所属。 週刊J2&月刊J3 MC。Jリーグ&ブラジルサッカーウォッチャー。

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