[写真]=J.LEAGUE
6月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』が発表され、J2は水戸ホーリーホックに所属するFW梅田魁人が受賞した。
受賞したのはJ2第22節 FC町田ゼルビア戦の65分に決まったゴール。激しいボールの奪い合いから、安藤瑞季が収めたボールを受けると右足を一閃。強烈なドライブボレーで豪快にゴールネットを揺らした。「『ここにボールが落ちてきそう』という予測を立てて、シュートは思い切り振り抜くだけでした」というゴールを振り返ってもらった。
取材・文=三島大輔(サッカーキング編集部)
――まずは6月の『明治安田生命Jリーグ KONAMI月間ベストゴール』受賞おめでとうございます!
梅田 あまり意識はしていませんでしたが、受賞することができて嬉しいです! チームメイトに感謝したいと思います。
――強烈なボレーシュートを改めて振り返っていただけますか?
梅田 相手陣内でのスローインから一度もボールが地面に着かず、どちらにこぼれるのか分からないような状況でした。楠本(卓海)選手のインターセプトで『マイボールになるかな』と思いましたし、その後は前田(椋介)選手が難しい体勢からつないでくれました。ボールを収めた安藤選手に対するプレスがあまり掛かっていなかったので、『ここにボールが落ちてきそう』という予測を立てて、シュートは思い切り振り抜くだけでしたね。シュートを打つ際は、相手選手に当たらないようにドライブ回転をかけています。うまくゴールに吸い込まれて良かったです。
――ボールが行ったり来たりの展開の中、梅田選手はシュートを打てるポジショニングを取り続けていたと思います。
梅田 安藤選手は難しいボールもうまく収められるので、もし胸トラップで収めたら、ゴールに向かう裏抜けのようなプレーをしていたと思います。今回はトラップではなくヘディングで競り勝ったので『ここに落とすだろうな』と思いました。後はシュートの意識しかなかったです。
――ゴールが決まった後、安藤選手に投げ飛ばされるような形になりましたね(笑)。
梅田 ゴールを決めたらベンチの方に走って行く癖があります(笑)。本当はメインスタンドに向かって吠えたかったのですが、まだ65分でスコア的には同点だったので『これで喜んでいたらダメだ!』と思いました。勝ちに行く姿勢を示したかったので、一瞬の判断でパフォーマンスは封印しました。
――ご自身のSNSでは『久しぶりにオレらしいゴール』とコメントしていましたが、具体的に“オレらしいゴール”とはどんなゴールを指すのでしょうか?
梅田 宮崎時代はインステップで振り抜くシュートが多かったのですが、水戸に来てからインサイドやインフロントでコースを狙う練習を増やしました。あまり考え過ぎずゴールに向かって振り抜くことは、自分の武器だということを再認識できました。ゴールに向かうプレーこそ、自分らしさだと思っています。
――改めてこのゴールは梅田選手のキャリアにおいて、どんな意味を持つゴールになりましたか?
梅田 チームが勝っている時や優位な展開でゴールを取ることも嬉しいですが、自分の性格的には苦しい展開や順位が自分たちよりも上のチーム、絶対に勝たないといけないというシチュエーションの試合で結果を出すことが、自らの価値を示すことにつながると思っています。
――ストライカーとして大舞台は好きですか?
梅田 高校時代は県大会の準決勝や決勝での得点率は高かったですし、大学時代も天皇杯でJリーグのチームを相手にゴールを決めて勝つことができました。相手が強い時に結果を残すことができていると思いますし、その要素は今回のゴールにもつながっていると思います。
――今季ここまでについてもうかがいます。敵地で大分トリニータを下した第11節は、スタメンの平均年齢22.73歳。梅田選手は草野侑己選手に次ぐ年長者という立ち位置でした。
梅田 ここ数年『水戸=若いチーム』という印象があると思います。特に今季は自分より年齢が上の選手は数えるほどになりました。大分戦はここ数試合出場していない選手もいましたし、特に若い選手に対して『モチベーションを高く持って、勢いを出して欲しい』と試合前に声掛けをしました。25歳という年齢で全体に目を配るような仕事をするとは思っていなかったです。きっと他のチームでは経験できないようなことができていますし、必要とされている仕事の一つでもあると思っています。
――水戸在籍2季目を迎えました。ひたちなか市のPR大使など、ピッチ外の活動も精力的ですね。
梅田 サッカーだけやっていると視野が狭くなってしまうと思います。地域に顔を出して、いろいろな方とお話することは大切です。自分が思っている以上に応援してくれていると感じますね。そういったふれあいがあると、自分のプレーも上向くと思っています。茨城県の皆さんにもっと水戸ホーリーホックのことを知ってもらって、スタジアムに足を運んでほしいです。招待席『VAMOS SEAT』という取り組みもやっているので、今後も継続していきたいと思っています。
――今季これからに向けた意気込みを聞かせてください。
梅田 個人としては得点数がまだまだ足りません。得点+アシストで15以上が目標なので、達成できるように毎日のトレーニングに臨んでいきます。チームとしては、積み上げが大切です。もっと個人個人が自分にフォーカスしてベクトルを向けてやっていけば、もう後は上がって行くだけなので、そこを信じてやっていきたいと思います。
――では、最後にファン・サポーターへメッセージをお願いいたします。
梅田 今季はファン・サポーターの皆さんの後押しを感じながらも、なかなか期待に応えることができていません。皆さんの応援・声援は届いているので、選手たちを信じて続けてほしいと思います。その期待に応えるため、日常から全てをかけてサッカーに取り組んでいきます。全員が自分に対する矢印を大きくしていけば、思い描いた結果につながっていくはずです。継続して、今以上にパワーを持ってやっていきます!
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By 三島大輔
サッカーキング編集部