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“脱大迫依存症”は任せろ! 汰木康也&佐々木大樹、神戸の両翼が大ブレイクの兆し

2024.02.26

開幕戦で得点した汰木(左)と佐々木(右) [写真]=J.LEAGUE

 昨季悲願のJ1初優勝を果たし、連覇を目指すヴィッセル神戸。しかし開幕1週間前のFUJIFILM SUPER CUPでは、AFCチャンピオンズリーグからのターンオーバーを図った川崎フロンターレに苦杯を喫し、立て直しが急務となっていた。

「今週1週間は修正というより再確認をした。細かい立ち位置含めて、みんなで話し合った」と吉田孝行監督も話したが、強度の高い守備から素早い切り替えで迫力を持ってゴールに迫る自分たちのスタイルを実践すべく、J1昇格組のジュビロ磐田とのアウェー戦に挑んだ。

 14年ぶりに国内復帰を果たした百戦錬磨のGK川島永嗣が守る相手ゴールだけに、攻略するのは簡単ではないと思われたが、先制点を想像以上に早く奪うことができた。

 開始早々の4分、初瀬亮の右CKを相手がクリアし、ペナルティエリア外側から反応したのが左サイドで先発した汰木康也だった。

「浮かさないようにだけ強く意識しました。枠に飛ばせば何か起こると思ったので」と本人が言う右足ダイレクトボレーは川島の脇を通過し、見事にネットを揺らしたのだ。

 これで重圧から解き放たれた神戸は主導権を握り、次々と得点を狙っていく。川崎F戦で負傷した井出遥也に代わって中盤でスタメン出場した新加入の井手口陽介も積極的なプレスとライン間のスペースを巧みに使う動きで敵をかく乱。いい味を出していた。

 前半こそ攻め込みながら追加点を奪えなかった神戸だったが、後半開始早々に2点目を叩き出す。ボールを奪取した扇原貴宏が大迫勇也に展開。佐々木大樹が一気に抜け出すと、川島との1対1を股抜きゴールで制する電光石火のカウンターを発動したのだ。

「川島選手から決められたのは素直に嬉しい。いいタイミングでシュートを打てたかなと思います」と背番号22は満面の笑みを浮かべていた。

 2つの得点で2024年J1開幕戦を2-0で完勝し、好発進を見せた神戸。川崎F戦で出た攻撃のテンポの遅さやリズムの悪さを瞬く間に修正し、縦への推進力と迫力を取り戻したのは大きな収穫と言える。

 加えて言うと、最大の得点源である大迫勇也ではないアタッカー陣からゴールが生まれたことは、非常に前向きなポイントだ。

 昨季の神戸は総得点60だったが、大迫が22点、武藤嘉紀が10点と2人だけで半数以上のゴールを奪っている。その次が佐々木の7点で、他に目立った存在が見当たらない。いかにして“大迫依存症”を克服していくか。そこが連覇への最重要命題と目されている。だからこそ、汰木と佐々木が点を取ったことは朗報と言っていいだろう。

「昨年の自分はゴールもアシストも全然足りなかった。そこをサコ君(大迫)、ヨッチ君(武藤)に頼りきりなのは本当に悔しい。あの2人を越えていくくらいの気持ちと自覚持たなければいけない」と28歳の汰木が言えば、24歳の佐々木も「康也君も言った通り、2人に頼ってばかりではダメだと思う。僕ら中堅の選手がもっともっとゴールを量産しないと神戸というチームはより強いチームにならないと思う」と自戒を込めて言う。いつまでも“30代のベテラン中心”と言われることがないように、20代の彼らが奮起し、存在感を高めていくことは必要不可欠なのである。

 特に昨夏に左肩を脱臼し、そこからパフォーマンスが急激に低下した汰木のブレイクはマスト。本人も過去に経験したことのない体のバランスの崩れに悩んだ。それを戻すべく、体幹や筋トレを徹底的に見直し、タイヤを引いてダッシュするなど、根本的にフィジカル面を作り直して今季を迎えたという。

「コンディションを戻すのに相当時間がかかりましたね。まだ100%かと言われたら分からないけど、早くメンタル含めて一番いい状態に戻したい。いい時の自分をさらに越えるように準備したいと思っています」と本人も復活への力強い一歩を踏み出した様子だ。

 左のスピードスターが次々と局面を打開して、クロスを入れてくれれば、大迫や武藤のゴールチャンスも増えるし、佐々木が飛び込んでくる回数も多くなる。汰木が恒常的に先発できれば、ジェアン・パトリッキを飛び道具としてベンチに置いておく余裕も生まれる。そういう意味でも、重要なキーマンなのである。

 佐々木も「今季2ケタゴール」を目標に掲げている。昨季は「7点というのは少なすぎる。もっと点数を重ねられる選手」と山口蛍ら先輩たちに要求されていたが、そろそろ大ブレイクしてもいい。

 磐田戦でも川崎F戦の反省を踏まえながら誰よりもハードワークの意識を強く持ち、ピッチ上でタフなバトルを繰り広げた。

「テンポよく回してサコ君など前の選手にロングボールをタイミングよく蹴るというのが僕らの一つの形。川崎F戦からそこが修正できたのは大きかった。僕自身も今年は中心選手としてやらせてもらっているので、一つ基準を上げていかないといけない。ゴールというシンプルな結果で応えたい」と佐々木はギラギラ感を押し出した。

 上昇気流に乗りつつある彼らが絶対的主軸になれた時、神戸は一段階飛躍できるはず。ここからの快進撃に期待したいものである。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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