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G大阪の男としては初の日立台凱旋 「1試合1失点以下は達成できる」と自信を見せる中谷進之介

2024.08.12

G大阪DF中谷進之介 [写真]=J.LEAGUE

 8月7日のJ1再開後、首位のFC町田ゼルビアが足踏み状態を強いられるなど、混とんとしてきた上位争い。中断前時点で2位だったガンバ大阪もFC東京にスコアレスドローで2戦未勝利と停滞を強いられていただけに、11日の柏レイソル戦はアウェーながらも勝ち点3がほしかった。

 U-12から柏のアカデミーで育ち、2014年のトップ昇格後も4年半、日立台でプレーした中谷進之介にしてみれば、”ガンバ大阪の男”となって初の古巣凱旋だ。

「日立台はやっぱり特別感はあります。まだ僕のチャントを覚えているし、『こういう時にこれ、歌っていたよな』とか思います。ちょうどお盆だったので、自分の家族もいたし、奥さんの家族も来て、友達も勢揃いしてくれました。すごく懐かしい感じがしました」と本人も言う。舞台が整った中でのゲームということで、無失点勝利で恩返しをしたかったはずだ。

 開始早々、細谷真大にビッグチャンスを作られたが、守護神の一森純中心に乗り切り、悪くない入りを見せたG大阪。直後の6分に宇佐美貴史のシュートがクロスバーを叩いた決定機がノーゴールだったのは不運だったが、その後も守備陣は集中力を切らすことなくプレーし続けた。

 0-0で折り返した後半。7日の浦和レッズ戦が雷雨中止になり、試合間隔の空いた柏の方が体力的に優位だったこともあり、G大阪は押し込まれる展開を余儀なくされたが、それでも中谷は確実に守備陣を統率。最後の最後までゴールを割らせることなく守り切り、勝ち点1を死守。育ててもらった柏に成長した姿を改めて示した。

「無失点ではいけているので、それはいいですけど、点を取りたいですね。チームとして」

 試合後、本音を吐露した中谷。それはまさにG大阪の全員が感じていることだろう。

 この日も宇佐美の4本を筆頭にシュート9本を放ったが、無得点。3試合ノーゴールで、総得点もリーグ下から4番目の28のままだ。

「監督である私はチャンスを作るのが仕事。今までの試合中に自らシュートを打った監督は見たことがない」とダニエル・ポヤトス監督はユニークな物言いで得点チャンス増加の重要性を口にしていたが、それを確実に遂行しなければ、順位を上げることは難しい。町田や鹿島アントラーズが足踏みしたことによって、4位に落ちたとはいえ、まだトップとは4ポイント差。再浮上の可能性はある。

「確かに優勝がチラついていましたけど、ここ3試合で後退しているので。それよりも、今もチームで話しましたけど、大事なのは一つひとつの試合をやり続けること。最近は目の前の相手ではなくて、他の順位を気にするところがあった。やっぱり目の前の試合、目の前の練習をやっていくことが最後に繋がるという話をしました。夏場以降の終盤、G大阪は強いと思うので、信じてやり続けるだけですね」と中谷も自らに言い聞かせるように語っていた。

 今夏に加入した林大地もシーズン終盤には戦力となるだろうが、そこまでは宇佐美中心に何とか打開策を高じていくしかない。中谷も最終ラインからボールを持ち運び、攻めに厚みを持たせるようなプレーをしなければいけないと考えている様子だ。

「監督からは、守備のところはすごくいいから、もっともっと攻撃に絡んでいける回数を増やそうと言われていて、ビデオ見せてもらいながらステップアップしているところです。守備のタスクもたくさんあるけど、いろいろなことをやるためにG大阪に来た。自分をレベルアップさせるために環境を変えたので、すごく刺激的な日々を送れています」と中谷はスペイン人指揮官の要求に応えようと全力で取り組んでいるという。

 そのうえで、最重要テーマである強固な堅守をさらに研ぎ澄ませていく必要がある。今季の18失点というのは中谷と横浜F・マリノスへのレンタルから戻ってきた一森によるところが大と言われるが、目指すべき領域はより高いのだ。

「リーグ38試合で(1試合平均)1失点以下は目指していきたいですし、達成できる数字だと思います。だけど、本当にどこで崩れるかわからないし、それだけは集中しながらやっていきたいです」

 まさにその口ぶりはチームの大黒柱そのもの。彼自身は「名古屋の頃から取り組む姿勢は何も変えてない」と話したが、自分が引っ張らなければいけないという気持ちは一段と高まったはずだ。その高度な意識をピッチで表現し続ければ、G大阪の守備が崩れるはずはない。

 今のJ1で最高のセンターバックの一人と位置づけられる中谷進之介。彼の統率力と発信力、存在感がG大阪の今後を大きく左右するのは間違いない。

取材・文=元川悦子

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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